3段カラーボックスと言えば、手軽な収納グッズの定番中の定番です。手頃な価格ながら十分な強度があり、カスタムベースとしても幅広く使うことができます。
もっとも、一昔前とは異なり、さすがに1千円では購入できません。最近は1,500円前後からが相場となっています。また、普通に縦向きに置いた場合、A4版の雑誌を立てることができず(※A4対応のものは除く)、一方で文庫本を並べると上に無駄な空間が空いてしまいます。
その点、カラーボックスでも棚板の高さ調節ができるタイプなら、A4版の雑誌でも文庫本でも効率良く収納することができます。ニトリの「Nカラボ」が現在とほぼ同じ仕様になった2015年以降、ホームセンター各社でも棚板の高さを変えられる3段カラーボックスが発売されています。
今回は、棚板の高さを変えられる3段カラーボックスの元祖とも言えるニトリ、そしてカインズとビバホーム、コーナン、さらにアイリスオーヤマの5社の棚板の高さを変えられる3段カラーボックスを比較してみたいと思います。「どれも同じじゃないの~?」と思うことなかれ、これが意外と違いがあるのです。
※この記事は2017年1月13日時点の情報に基づいています(2025年3月10日一部更新)
ニトリ・カラーボックス「カラボ」3段
税込価格 | 1,570円 |
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サイズ | W419×D298×H878mm |
カラー | 4色 |
2014年以前のニトリの棚板の高さを変えられるカラーボックスは、側面に穴がたくさん開いており、外側からボルトで棚板を固定する構造でした。見た目が悪いだけでなく、グラグラと横れしやすく、安かろう悪かろうを地でいくような商品でした。
しかし、現在販売されているNカラボは棚受けパーツで側板が広がるのを防ぐ構造です。側板の外側にもネジ穴がありますが、2014年以前のもののように見苦しくはありません。
一方で、従来のカラーボックスと比べて部品点数が多いため、組み立てが面倒というデメリットがあります。可動棚を支えるパーツは「エースラック」のフリーストップ棚受けに似た構造で、可能棚1枚につき4個の樹脂製棚受けパーツと4本のネジで固定する必要があります。エースラックに比べて部品が小さいため、非常に煩わしさを感じます。さらに背板もネジで固定する必要があります。
さらに、クライアント宅で使用した際に、棚板が落ちてしまったという事例がありました。それほど重いモノを収めたわけではないですが、固定棚を使用しないと側板が左右に広がるのを完全には防げない構造であると言えそうです。2014年以前の仕様に比べれば横揺れの心配が減ったとは言え、強度的には少し心許なく感じます。
ともあれ、現行品は縦に積み重ねて使える構造でもあります。また、サイズラインナップやオプションパーツが豊富、天板の位置も変えられるなど、カスタマイズ要素が強い点は魅力的です。また、今回比較した4商品の中では価格はもっとも安いと言えます。
カインズ・可動棚収納ボックス3段

出典:カインズホーム
税込価格 | 1,980円 |
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サイズ | W440×D290×H880mm |
カラー | 3色 |
カインズのカラーボックス「可動棚収納ボックス3段」はニトリに比べると高価です。ただ、側面から見た場合に穴が見えない構造というのはメリットだと思います。ニトリと違って天板の位置を変えられないのはデメリットとも言えますが、普通に棚板の高ささえ変えられれば十分という場合はカインズのほうがオススメと言えるでしょう。パーツが少なく、組み立ても楽です。
カインズのほうが価格が高いのは、ひょっとしたら材質の違いによるところもあるかもしれません。商品紹介文のところに”F☆☆相当の材料を使用し、シックハウス症候群の原因の一つであるホルムアルデヒドを抑えました。(当社比半減)”と書いてあります。「当社比半減」というのは、カインズには以前はもう少し安いカラーボックスがあって、それとの比較ということだと思います。
私としてはF☆☆グレード(=ホルムアルデヒド放散量が多い)の家具が未だに国内で流通していること自体が驚きですが、ニトリをはじめ、価格が安いカラーボックスはひょっとしたらホルムアルデヒド放散しまくりなのかもしれません。まあ、組立家具大手の白井産業ですらF☆☆が基本ですから、ぶっちゃけ何でもアリの様相なんでしょうね。
話を元に戻しまして、カインズの可動棚収納ボックス3段は、背板の4隅をL字型の樹脂製パーツで固定することで歪みを抑えています。L字型の樹脂製パーツは1ヶ所につきネジ2本で固定するのですが、斜めにネジを留める必要があってやや難しいだけでなく、中段あたりは何も固定しないので重いモノを乗せた場合に側板が左右に膨らむ(=棚板が落ちる)心配もあります。
ビバホーム・自由に棚の高さが変えられるボックス
税込価格 | 2,178円 |
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サイズ | W439×D290×H890mm |
カラー | 3色 |
ビバホームの棚板可動式の3段カラーボックスは2017年頃に商品が入れ替わったようです。以前の「棚板の高さが変えられるカラーボックス3段」は一般的な組立式書棚で採用されているくさび形の樹脂パーツで背面を補強していたのですが、現在の「自由に棚の高さが変えられるボックス」はニトリとほとんど同じ構造に見えます。
そういうことなら、価格が安いニトリのほうが良いんじゃないかという感じがしますね。
コーナン・LIFELEX 3段カラーボックス 可動棚β
税込価格 | 1,848円 |
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サイズ | W418×D290×H880mm |
カラー | 3色 |
コーナンの「LIFELEX 3段カラーボックス 可動棚β」はオーソドックスな仕様です。背板はくさび形の樹脂パーツで背面を補強し、棚ダボは一般的なピンタイプです。
カインズよりも幅がやや短いものの、価格が少し安く、横揺れや側板が広がる心配が少ないんじゃないかと思います。
アイリスオーヤマ・CX-3KD
税込価格 | 2,980円 |
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サイズ | W414×D290×H882mm |
カラー | 3色 |
アイリスオーヤマのCBボックスシリーズにも「CX-3KD」という棚板の高さが変えられるカラーボックスがあります。こちらはコーナンとまったく同じ構造です。
しかしながら、価格はちょっと高めです。個人的にはコーナンで十分じゃないかと思います。
というわけで、何だかんだ言ってもニトリのカラボの圧勝という感じです。今回比較した中ではもっとも価格が安く、カスタマイズ性の高い構造になっています。また、サイズ展開やオプションパーツのラインナップが豊富で、縦に連結できる点もメリットになり得ると思います。
一方で、組み立ての面倒さを考えると、コーナンやカインズのほうが良いということもあるかもしれません。ニーズに合わせてお選びいただければと思います。
ちなみに、ニトリにはNカラボよりも上質で組み立ても楽な「Nクリック ボックス」という選択肢もあります。こちらも合わせてご検討ください。
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