無印良品の「スチールユニットシェルフ」と、いわゆるメタルラック系の中でももっともシェアが高いと思われるドウシシャの「ルミナスラック」。いずれもカテゴリーとしてはスチールラックですが、その性質はまったく異なります。
今回はこの2つの異なる性質を持ったスチールラックを徹底比較するという、異種格闘技戦のようなテーマをお送りしたいと思います。
※この記事は2015年5月20日時点の情報に基づいています(2023年7月21日一部更新)
無印良品vsドウシシャ
無印良品・スチールユニットシェルフ
ドウシシャ・ルミナスラックレギュラー
※ルミナスラックには各種シリーズがありますが、今回はポール径25mmのレギュラータイプを比較対象とします。
耐荷重性能
まずはそれぞれの耐荷重を比較してみましょう。無印良品のスチールユニットシェルフは棚板1枚あたり約30kg、棚全体で約100kgとなっています。これは上位モデルのステンレスユニットシェルフ、ステンレスワイヤー追加棚、木製棚板であっても同様です。
一方のルミナスラックの場合は棚板1枚あたり約250kg、棚全体で約500kg、キャスター取付時は約300kg(静止時)となっています。ちなみに、無印良品のスチールユニットシェルフのほうがキャスター取付時に耐荷重に影響が多いはずですが、それについては記載はありません。
スペックだけを見ればルミナスラックのほうが圧倒的に頑丈と言えます。しかしながら、例えばそれぞれをキッチンで使用する場合、一般的にもっとも重いスチームオーブンであっても25kg程度で、しかもそれを4台も乗せることはちょっと考えられません。ですから、通常の使用シーンにおいては無印良品のスチールユニットシェルフでも十分と言えるでしょう。
ただし、スチールユニットシェルフにオーブンレンジを乗せると、扉を開閉するたびにグラグラと揺れるのでご注意ください。
防錆性能
無印良品のステンレスユニットシェルフはステンレス製のため防錆効果が期待できますが、スチールユニットシェルフはエポキシ樹脂塗装であるためあまり防錆効果は期待できません。一方のルミナスラックの場合はクリアコーティングを施しているため防錆効果が期待できます。
水周り以外の室内であれば問題はありませんが、水周りでの使用であればルミナスラックのほうが有利であり、無印良品の場合はステンレスユニットシェルフを選んだほうが良いと言えるでしょう。
拡張性
無印良品のスチールワイヤーシェルフはオプションパーツが豊富です。しかし、ルミナスラックのほうがそれを上回るほど圧倒的にオプションパーツが豊富です。また、ルミナスラックはポールを上下に分割したり、継ぎ足すことも可能です。つまるところ、拡張性においてはルミナスラックのほうが圧倒的に有利です。
サイズバリエーション
無印良品のスチールユニットシェルフは幅4サイズ、奥行2サイズ、高さ5サイズ。一方のルミナスラックは幅8サイズ、奥行4サイズ、高さ11サイズで、サイズバリエーションにおいてもルミナスラックのほうが圧倒的に有利です。
インテリア性
私もインテリアコーディネーターのはしくれですから、やっぱりインテリア性も気になるところです。無印良品のスチールユニットシェルフは、まあ普通にシンプルです。無印良品というブランドのせいで実際よりもオシャレに見えてしまっているところがあって、スチールユニットシェルフ自体は意外とディテールが美しくないところもありますが、決して悪くはないと思います。
一方のルミナスラックは、一般的にオシャレではないと思われがちですが、ホームセンターで売られている安物と一緒くたに判断されていることが多いように個人的には思います。ルミナスラックは仕上げが丁寧であるためそれほど見た目は悪くありませんし、棚板をウッドシェルフやソリッドシェルフにするとインテリア性はアップします。
ただ、世間のブランドイメージによってオシャレか否かが決まる部分もありますし、私もまあ、これらの比較においては無印良品のスチールユニットシェルフのほうがインテリア的に優れていると思います。
あと一点付け加えると、2台以上を左右に連結した場合は、無印良品のほうがキレイです。ルミナスラックも棚板の高さを揃えて左右連結できますが、棚板にポールを挿す部分が宙ぶらりんになってちょっと不細工です。
収納効率
無印良品のスチールユニットシェルフは棚板の高さが185mm間隔でしか変えられないため、収納スペースに無駄が生じやすく、その点では効率が非常に悪いと言えます。一方でルミナスラックは棚板が25mm刻みで変えられるため、収納スペースに無駄が生じにくく、効率は非常に良いです。
組み立て難易度
組み立てや棚板の位置の変更については、甲乙つけがたいところがあります。
まず無印良品のスチールユニットシェルフはひとつひとつのパーツがルミナスラックに比べると軽いので、女性でも組み立てやすいと言えます。一方で、ネジが大量に必要ですし、背面をクロスバーで支えるという構造上、特に複数台を連結させる場合などは難易度が格段に上がります。仮止めという方法を知らずにいきなりネジを本締めしてしまうような人なら、全体を歪ませずに組み立てることもままなりません。
逆にルミナスラックはパーツが重く、棚板をハメたり外すのに結構な力が必要となるため、女性では厳しいと感じることがあります。一方で、ドライバーを使う必要がなく、DIY初心者でもまったく問題なく組み立てられる安心感があります。
価格
無印良品の「スチールユニットシェルフ・スチール棚セット・ワイド大」は税込17,900円、対してそれに近いサイズのドウシシャ・ルミナスラックNLH9018-5は税込12,800円(ルミナス公式ショップの場合、以下同)です。2023年1月に無印良品が大幅値上げに踏み切ったため、スチールユニットシェルフのほうは随分と割高感が出てしまいました。
一方、セットではなくパーツで比較すると、無印良品の「スチールユニットシェルフ・スチール追加棚・幅84cmタイプ用」は税込2,290円。それに対し、ルミナスラックの「スチールシェルフ(棚板・スリーブ付き)SR9045SL」は税込4,880円で、無印良品のほうが安くなります。ルミナスラックはセットのほうが圧倒的にお得なのです。
ただし、無印良品のスチールユニットシェルフは購入できる場所が限られるものの、ルミナスラックは様々なところで購入でき、価格も異なります。また、シリーズによって価格が異なり、たとえば「ルミナス スリム」なら税込11,800円、追加のワイヤーシェルフは同3,480円となります。
つまるところ、現在はセット品だけを買うならルミナスラックのほうがコスパが良い一方で、パーツの組み合わせによってはそうでもない場合もあるので、購入前に構成をあらかじめ確認しておいたほうが良いでしょう。
以上、8項目で比較してみましたが、どちらが良いかということを一概に言うのは難しいと思います。とにかく頑丈で、使い勝手やサイズにとことんこだわるならルミナスラック。線が細くて圧迫感が少なく、ゆったりとした感じで使いたいならスチールユニットシェルフがオススメと言えるのではないでしょうか。
コメント
こちらの記事を読み込むと、ルミナスラックも汎用性があって魅力的ですね。
こちらも、パパに相談です!
まいたけまいたさま
こちらにもコメントくださりありがとうございます^^
見た目のシンプルさでは無印良品のユニットシェルフのほうが良いですけど、横揺れしない頑丈さ、オプションパーツやサイズバリエーションの豊富さで言えば、ルミナスラックの勝ちでしょう。
それぞれに良い面がありますから、ニーズに合わせて選んでいただければと思います♪