元祖スチールワイヤーシェルフと言えば、エレクター社のスーパーエレクターと家庭用にアレンジされたホームエレクター。現在、多くのホームセンターではドウシシャのルミナスラックとアイリスオーヤマのメタルラックの2強がシェアを握っているとは言え、エレクターはステンレス製のポスト(支柱)を採用するなど、品質の高さで優位であることに変わりはありません。
とは言え、パッと見た目は3社ともそれほど変わらず、サイズオーダーなどにそれほどこだわらなければ、価格の手頃なルミナスラックやメタルラックを選ぶという人も多いことでしょう。実際、私も独身時代はホームエレクターで揃えたものの、現在はルミナスラックやメタルラックで間に合わせています。
一方で、ホームエレクターはこれまでにも独自のパーツを続々と投入してきました。アークシェルフやウッドシェルフは特に素敵で、私もちょっとグラッと来ましたが、やはりコストを考えると、ちょっと手が出づらい感じがありました。
しかし、そんな私の心をさらに揺さぶる新シリーズが登場したのです。スーパーエレクター発売50周年を機に発売された「ヴィンテージシリーズ」です。
※この記事は2017年1月10日時点の情報に基づいています
ホームエレクター・ヴィンテージシリーズ
こちらがそのホームエレクター・ヴィンテージシリーズですが、この写真を見ただけでは何がどう違うんだか、さっぱり分からないと思います。
以下の動画を見ていただければ、「おおっ!」と思っていただけるのではないでしょうか。
ザ・インダストリアルデザイン!
業務用として合理的な設計思想に基づいて作られたスーパーエレクターは、もともとインダストリアルデザインを備えていると言えます。家庭用とは言え、基本的な設計思想を同じくするホームエレクターももちろんそうです。
しかしながら、インテリアの世界で言われるインダストリアルデザインという言葉と、実際のインダストリアルなシチュエーションで求められるものの間には、実際には乖離があります。インテリアではあくまで見た目が求められ、プロユースの現場では見た目よりも合理性が重視されるのです。
今までのスーパーエレクターやホームエレクターはあくまで合理性を第一に考えていました。見た目にはこだわっても、実用性は捨てきれないでいたのです。ホワイトやブラウンなどのカラーバリエーションは増やしても、合理性という呪縛からは抜け切れていなかったのです。
他方、今回登場したヴィンテージシリーズはあくまでインテリア性を前面に打ち出した画期的なものと言えます。インテリアの世界で言われるインダストリアルデザインそのものです。それでいて、「なんちゃってインダストリアル」ではなく、元々インダストリアルデザインを採用しているわけですから、こだわりの男前インテリアにはもってこいというわけです。
ヴィンテージシリーズは従来のクロムモデルに比べると概ね6割近くも高価です。ただでさえ高価なホームエレクターなのにますます手が出づらいところではありますが、この風合いを一度見てしまうと他社類似品はアウトオブ眼中になってしまいます。熱狂的なユーザーが多いエレクターですから、これは間違いなくヒットするんじゃないかと思います。
他方で、ドウシシャやアイリスオーヤマも指をくわえて見ているとは思えません。きっと同じようなヴィンテージ風のラインナップを投入してくるのではないでしょうか。ただ、あからさまにパクリと言われかねない商品を投入してくるとも思えないので、今後の動向に注目したいところです。
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