コロナ禍に苦しむ業界はたくさんあります。そんな中、家具インテリア業界は「おうち時間」の増加によって逆に追い風が吹いている状態です。ニトリは年間を通じて月次で約10%アップ、ロウヤなどを運営するベガコーポレーションに至っては今期40%以上も売上を伸ばしています。
そんな中、我らがイケアジャパンも売上を伸ばし、3年間に及ぶ赤字決算を脱することができました!
※この記事は2021年2月18日時点の情報に基づいています
イケアジャパン、売上2.7%増で4年ぶり黒字転換
2020年8月期 | 2019年8月期 | |
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売上高 | 867億4400万円 | 844億7600万円 |
営業利益 | 19億3200万円 | -8億5900万円 |
経常利益 | 17億1500万円 | -5億9200万円 |
当期利益 | -33億4500万円 | -8億8500万円 |
2021年1月15日に公表されたイケア・ジャパン株式会社の第19期(2019年09月01日~2020年08月31日)決算公告によると、売上は前期比約2.7%増の867億4400万円となりました。また、利益関係は前期から一転黒字転換し、営業利益19億3200万円、経常利益17億1500万円となっています。
直近7年間の業績推移
2014年8月期からの業績推移を見てみましょう。2020年8月期は当期損失こそ膨らみましたが、利益水準は2016年8月期と同程度まで回復しました。
一方で、売上はこの3年間、伸びてはいるものの微増にとどまると言ったところです。
やっぱりコロナ禍の影響?
ここのところ低迷していたイケアの売上が伸びたのはなぜでしょうか。2020年4月にオープンした原宿店は他の大型店の1/10程度の売場しかありませんし、同じく都市型店舗の渋谷店は11月末のオープンですから今期の業績には反映されていません。
また、イケアは3万円以上購入で送料無料となるキャンペーンを継続的に実施しており、私もこのキャンペーンを利用して家具をいくつか購入しました。しかしながら、送料を無料にすると利益を圧迫しますから、売上は伸びても利益が好転した主な理由とは言えないでしょう。
そう考えると、やはりコロナ禍による巣ごもり需要の影響が大きいと言えるのかもしれません。私は外出自粛で期間中は2~3回しか店舗に足を運びませんでしたが、明らかにここ2~3年に比べるとお客さんは多かったです。何かしらの施策が功を奏したと言うより、来店客数増に伴う売上&利益アップと見るのが自然かと思います。
ここ数年はニトリや無印良品ばかり注目されて、イケアはほとんど注目されません。実際、今期のイケアの決算を取り上げているマスコミは皆無です。業界紙ですら一切報じていません。それほど話題性に欠くのでしょう。
しかしながら本日、イケアジャパンの社長交代がプレスリリースされました。2021年8月1日付けで現社長のヘレン・フォン・ライス氏はInter IKEA Group、 IKEA of Sweden ABフードビジネスのビジネスエリアマネジャーに就任、代わりにペトラ・ファーレ氏が社長に就任するということです。
イケアジャパン新社長となるペトラ・ファーレ氏は、イケア・ポーランドの副社長を務めたほか、現在はInter IKEA Group、 IKEA of Sweden ABベッドルーム部門のグローバルビジネスエリアマネジャーを務めるなど、とても有能な方のようです。彼女の手腕によって停滞する日本市場が盛り上がることを期待しましょう。
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