収納グッズをメインに紹介するのではなく、メーカーにスポットを当てて紹介する「収納グッズメーカー列伝」。第2回目はポリプロピレン製の引出式衣装ケース「Fits(フィッツ)」でお馴染みの天馬を紹介したいと思います。
天馬については以前にも会社を訪問させていただいたり、取材をさせていただきましたが、それらの記事とはなるべく内容が被らないようにしたいと思います。
※この記事は2016年7月21日時点の情報に基づいています
Fitsだけじゃない!樹脂成形大手の天馬
天馬のルーツは1949年創業の太洋商事。その後、1954年に天馬合成樹脂、1987年に天馬と社名を改め現在に至ります。プラスチック製ゴミ箱、カラーテレビ、自動車部品、ビールコンテナーなどを生産し、1986年にお馴染みのFitsケースを販売開始。現在はハウスウェア(Fitsケースなどの家庭用品)、工業品(OA機器、自動車、家電の外装パーツなど)、産業資材(ビールコンテナーやコンクリート型枠など)の3つの事業を柱としています。
”人とプラスチックの調和した豊かな社会を追求”しているという通り、樹脂成形の分野では多大な実績を残している天馬ですが、近年は室内物干しやキッチン収納用品などで金属製品も取り扱っています。
年間200万個以上売れてるFitsケース
以前の取材記事を照らし合わせてみて改めて驚いたんですが、国民的大ベストセラーと呼ぶにふさわしいFitsケースは、直近で年間200万個以上売れているという計算になります(2012年4月時点:累計6,600万個→2015年11月時点:同7,400万個)。Fitsケースは発売から今年でちょうど30年。昨年時点で見ても7400万個÷29年≒255万個となりますから間違いないでしょう。
なお、発売開始からの平均で年間255万個となるのに対し直近では年間200万個以上となるのは、私が計算で用いた期間が正確でないためと、後発商品であるFitsユニットなどの販売が伸びているためと考えられます。
Fitsユニットを使えば洋服収納の悩みは消えるはず
国民の2人に1人以上が使っているという計算になるFitsケースは大変素晴らしい商品ですが、その上位モデルであるFitsユニットを国民全員が使えば日本から洋服収納の悩みが消えるんじゃないかと私は本気で思っています。
これだけ収納術が普及しても何だかんだで片づかないモノのNo.1は洋服です。でも洋服が片づかないお宅は決してズボラだから片づかないんじゃなくて、片づけにくい状態であることがほとんどなんですね。壊れかけの整理タンスや変形して開閉しにくくなっている引出式衣装ケースを使っていることが非常に多いです。
Fitsユニットは従来比約1/7の軽い力で開閉でき、しかもアルミ補強板で補強されているから頑丈で変形しにくくなっています。これなら洋服を片づけるストレスから解放され、片づけやすくなるはずです。
ロック機構付きで安全第一のFitsプラス
どこぞの殺人チェストと違って天馬は安全第一でモノ作りに取り組んでいます。たかがポリプロピレン製チェストなどという妥協は微塵も感じません。中でもFitsプラスは引出ロック機構を備えており、引出しの不意な飛び出しを抑えてくれます。
キャスターを取り付けることもできるのですが、ストッパー付きとなっており、やはり安全第一で設計されています。
天馬の場合、Fitsシリーズの存在が圧倒的すぎて他の商品がかすんで見えてしまうのですが、プロフィックス・カバコなど他にも優れた商品が多数あります。そしていずれも単純に世間の流行に囚われることなく、生活者にとって何が大事かをしっかり見据えて設計しています。
天馬の商品はいずれも大変素晴らしいものですが、私はそれ以上に会社が素晴らしいのだとつくづく思います。日本が世界に誇れる、最良の家庭用品メーカーと言っても良いのではないでしょうか。
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