結露に悩まされる我が家は、昨年の暮れに森永エンジニアリングの「ウィンドーラジエーターW/R-1200」を設置しました。ウィンドーラジエーターはそこそこ効果を実感できました。しかしながら、2つの問題があったのです。
まずひとつは、私以外に誰もスイッチを入れてくれないことです。結露が減ると妻も喜んでくれると思ったんですけど、静かに抵抗されているんでしょうか?(苦笑)逆にスイッチを切るのは早くて、朝起きたらすぐにオフにしちゃいます。電気代は除湿機に比べれば遥かに安いのですが、そうは言っても電気代が気になるのかもしれません。
そんなわけで、元々はこれを家中全部の窓に設置しようと考えていたんですが、ちょっと暗雲が立ち込めてしまいました。推進派の私としましても、各部屋のウィンドーラジエーターのスイッチを順番に入れていく作業は正直言って面倒臭いです。
もうひとつの問題は、年末の大掃除のときに、それまで窓に貼っていた「結露防止窓ガラス断熱シートE1540」が汚れていたので、剥がしてしまったのです。そうしたら結露がひどくなってしまって、これはやっぱり必要だと感じました。我が家の場合、ウィンドーラジエーターだけでは結露対策は万全ではなく、窓ガラス断熱シートとの合わせ技で対処する必要があったわけです。
とは言え、窓ガラス断熱シートは本来、我が家のような賃貸の型板ガラスには対応していません。両面テープで無理矢理に貼っており、最初の頃はサッシの結露によって落ちてくることもありました。
そんなわけで、型板ガラスにも対応するようなものがないかなーと思って調べてみたところ…ありました!同じくニトムズの「窓ガラス透明断熱フィルムE0590」という商品です。
これを使うと、賃貸でも手軽に二重窓構造にすることができて、断熱効果を得たり、結露対策ができるということなんです。窓ガラスとフィルムの間に空気の層を作っちゃうというわけですね。これは期待できそうです。
※この記事は2017年1月26日時点の情報に基づいています(2023年8月10日一部更新)
ニトムズ・窓ガラス透明断熱フィルムE0590
というわけで、早速、ニトムズの「窓ガラス透明断熱フィルムE0590」を楽天市場で買ってみました。1本で90×180cmまでの窓ガラス1枚分なので、とりあえず3窓分、計6本を購入しました。
両面テープやマスキングテープも付属
両面テープやマスキングテープは別途買う必要があるのかと思いましたが、必要な材料はすべて同梱されていました。あとはハサミ、カッターナイフ、ドライヤーを用意すればOKです。個人的にはカッターナイフよりもハサミのほうが良いと思いましたが。
いざ、施工開始!
では窓ガラスにフィルムを貼っていきましょう。作業の手順はおおまかに以下の通りです。
- 窓ガラスとサッシを事前に清掃する
- サッシの四周に両面テープとマスキングテープを貼る
- 両面テープの剥離紙を剥がし、上→下→右or左の辺を貼る
- 余分なフィルムをカットする
- ドライヤーで熱風を当ててシワを伸ばす
…という感じですが、こちらの商品ページに貼り付けられている動画を見てもらったほうが分かりやすいかと思います。窓の左右で手順が少し異なりますし、途中でシリカゲルを入れたり、カギ受けの部分にプラスチック部品を取り付けるなどする必要があります。
マスキングテープは要らないかもしれない
基本的には示された手順通りにやれば問題ないとは思うものの、個人的にはマスキングテープを貼る必要がないんじゃないかと思いました。
マスキングテープは余分なフィルムをカッターナイフで切る際に、サッシにキズが付かないようにするために貼るものです。しかしながら、少なくとも上端と左右いずれかの端はフィルムの角を合わせればカットする必要がないんですね。
また、マスキングテープを貼ってサッシを養生しても、キズが付かないようにするのは結構難しいです。カッターナイフで強めに切るとサッシにキズが付いてしまい、キズが付かないように弱めにするとフィルムが切れません。しかし、フィルムが切れていないと、そこから一気に破れてしまうことがあるのです。
そういう煩わしさを考えると、カッターナイフで切るよりもハサミで切ったほうが確実です。そうすると、マスキングテープを貼る必要性はありません。
サッシ枠が3cm以下でも貼れる!
基本的に、この「窓ガラス透明断熱フィルムE0590」はサッシ枠が3cm以上ないと貼れないと注意書きされています。両面テープとマスキングテープを貼るには、合わせて3cm必要となるからです。しかし、前述の通り、マスキングテープなしでも貼ることはできますから、両面テープを貼るための1.5cmあれば貼ることができると言えます。
我が家の場合はもっと難易度が高い状況でした。両側のサッシが重なる部分は3cm以上あったんですが、互いに噛み合う構造となっており、噛み合わせの部分をフィルムで覆ってしまうと窓が閉まらないことが判明したのです。
噛み合わせの部分をフィルムで覆わないようにするためには、約0.8cmのスペースに両面テープを貼らなくてはなりません。そこで両面テープを半分の幅にカットして貼ることにしました。
両面テープの幅を半分にすれば、理屈上、剥がれてしまうリスクが高くなります。しかしまあ、それは致し方なしですよね。まったく問題がないわけではありませんが、とりあえず貼ることはできました。
フィルムは丈夫だけど簡単に破れてしまう
「窓ガラス透明断熱フィルムE0590」はセロハンのような素材に見えます。ただし、セロハンは一般的にセルロースで作られており、シワもできやすいですが、このフィルムはポリエステルでできており、シワはほぼ発生しません。性質はむしろOPPテープのフィルムに似ていると思います。
結構手荒に扱ってもシワにならないので、作業中に窓を引き違えても安心です。ただし、少し切れ目が入ると、そこから一気に破れてしまう性質があります。
私は前述の噛み合わせ部分で四苦八苦している際に、フィルムの下端をレールに巻き込んでしまって上写真のようにフィルムを破ってしまいました。あまり大きくハミ出した部分は大まかにでも切っておくべきだったでしょう。
ほか、カッターナイフで余分な部分を切り落とす際に刃の入り方が甘いと、余分な部分を取り除く際にそこからバリッと破れてしまうことがありました。
カギ受け部分のプラスチック部品は微妙
カギ受け部分にプラスチック部品を取り付けるというアイディアはなかなかナイスだと思います。ただ、押せば簡単にたわんでしまうフィルムにプラスチック部品を貼り付けるのは難しいというか、無理です。なかなかシッカリと貼り付いた状態にはなりません。
それでもできるだけシッカリ貼り付けようと頑張って押し込んでいると、フィルムがバリッと破れてしまうことがありました。その場合はセロハンテープで貼って補修します。
端のシワはドライヤーでは伸ばせない
「窓ガラス透明断熱フィルムE0590」が画期的なのは、フィルムを貼ってからドライヤーでシワを伸ばせるということです。ただし、両面テープで貼り付けるところでシワが生じてしまうと、いくらドライヤーで熱風を送ってもシワは伸びません。
実際のところ、ここがもっともシワが生じやすいと思うのですが…。まあ、致し方なしというところでしょうねー。
シリカゲルは先に両面テープで貼っておいたほうが良いかも
フィルムを貼ることに必死な私は、窓ガラスとフィルムの間にシリカゲルを入れ忘れることが度々ありました。いや、正直に言うと、毎回入れ忘れては、フィルムを貼り終えてから端をめくって入れていました(苦笑)
そんな鳥頭の私のような人間は、先に窓ガラスに両面テープでシリカゲルを貼り付けておいたほうが良いのではないかと思います。
断熱効果は十分ながら我が家では結露が発生
フィルムを貼る作業は最初は苦戦して1枚あたり1時間程度を要しましたが、慣れれば1枚あたり30分ほどで貼れるようになりました。
多少シワが生じるので、「まるで貼っていないみたい!」とはいかないものの、透明なので以前の「結露防止窓ガラス断熱シートE1540」よりは見た目が良いです。
で、気になる効果の程ですが、断熱効果はあると思います。よって結露を防ぐ効果もあると思います。しかしながら、我が家ではフィルムにも窓ガラスにも結露が発生しました(苦笑)このフィルムがどうのこうのという話ではなく、いかに我が家の結露が強力かという話ですね。
ともあれ、賃貸の型板ガラスにでも貼れて二重窓構造にできるというのは素晴らしいです。また、ウィンドーラジエーターのように毎夕にスイッチを入れる必要がなく、「結露の水だれ防止スプレー」のように効果の持続期間が短いということもありません。冬だけでなく、夏にも断熱効果を発揮することでしょう。
さらに、我が家のように強力な結露でも、かなりマシにはなります。今までは滝のように流れ落ちていた結露が、フィルムと窓ガラスの表面が曇る程度で済むのですから立派なものです。
しかしながら、アマゾンなどのレビューで言われているほど施工が簡単とは思えませんでした。窓にもよるのでしょうが、今回のレビューを参考に、心して取り掛かっていただければと思います。
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