一時期、インテリアショップ各社がインテリアシミュレーターやAR(拡張現実)などをこぞって導入したことがありました。しかしながら、無印良品などにシミュレーターを提供していたリビングスタイルが事業に行き詰った2020年頃に、そういった流れは消えてなくなってしまった感じです。
基本的にパソコンでの操作を念頭に開発された一方で、急速にスマホユーザーが増えたことがその原因のひとつと考えられます。スマホアプリも色々登場しましたが、結局はイマイチ使い勝手が良くなくて、利用者が伸びなかったのでしょう。そんなわけで、インテリアショップの多くがとりあえず手を付けたものの、費用対効果が見えにくくて、廃止とまではいかなくとも放置状態にしてしまっていることが多いというのが現状だと思います。
そんな中、ニトリがブラウザベースで使えるインテリアシミュレーターの提供を開始したので、さっそく使ってみました。
※この記事は2022年11月10日時点の情報に基づいています
ニトリ・お部屋deコーディネート
このたびニトリが提供を開始したインテリアシミュレーターは「着せ替えシミュレーション【お部屋deコーディネート】」という名称です。
”着せ替え”というワードから想像できる通り、基本的にカラーコーディネートを試すことができるもので、レイアウトを触ることはできません。また、現状はリビングルームとベッドルームという2シーンにしか対応しておらず、家具の組み合わせすら選ぶこともできません。ただただ、色や柄の組み合わせを変えるだけです。
床とテーブルとカーテンレールの色が同時に変わる
色を変えるだけと言っても、たとえば「3Dマイホームデザイナー」で床や建具や家具の色を変えるのもなかなか大変です。ニトリのサイトで手軽に試せるなら、利用価値は十分にあります。
そこで実際に試してみたのですが、驚きました。なんと、フローリング、木製家具、カーテンレールの色が同時に変わってしまうのです。我が家のようにナチュラル系のフローリングにディープ系の家具をレイアウトしようと思ってもできないんですね。
また、ソファーの型は選べないし、テレビボードとの組み合わせも確認できないし、頑張ってコーディネートしても最終的には「コレジャナイ」感だけが漂います。クッションカバーなんて別に1つずつ選べる必要ありません(苦笑)
スマホでも使える
とは言え、スマホでもストレスなく使えるようにしようと思ったら、現実的な方法なのかなとも思います。いろいろ盛り込みすぎると操作性が悪くなりますし、そもそも画面が小さいので分かりにくいですからね。
ただ、面倒臭い割りに得られるものが少ないので、最初から「おすすめ」のパターンを3つとは言わず、もっと多く用意しておいてくれたほうがインスピレーションが得やすいと感じました。
PDF出力やそのまま購入も可能
なお、コーディネート画面の右上にある「選択した商品一覧」を押下すると、選んだ商品をそのままネットで購入したり、イメージ画像と商品リストをPDFファイルにしてダウンロードすることも可能です。
正直、そのまま購入する人なんていないと思うので、スクショしたほうが早いような気がします。
というわけで、現状ではニトリネットの新機能「お部屋deコーディネート」は期待外れという感じでした。部屋の内装や主にファブリック等の色の組み合わせを変えられるだけで、床と家具の木部の色がセットで変わってしまうし、家具などをチェンジすることもできないからです。
もっとも、商品リストを出力できたり、そのままネットで購入できる機能を実装しているところを見ると、今後は家具を選べるようになるのかもしれません。せめてそこくらいは期待したいものです。
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