収納グッズを購入するときに犯してしまいがちなミスのひとつは、使い勝手や収納物よりも置きたい場所に合わせてしまうということです。幅80cmのスペースだからできるだけそれに近い大きさのものを買う、高さが90cmまでなら置けるからそうする、という具合です。実際のところ、私が片づけのアドバイスに伺うお宅では、「押入れのスペースにピッタリ合う引出式衣装ケースが欲しい」という相談が非常に多いです。
しかし、結論から言うと、スペースに合わせて収納グッズを選ぶのはNGです。スペースに合わせるよりも収納したいモノに合わせて収納グッズを選ぶのが正しいと言えます。
その理由を説明するためには、我が家の例をご覧いただいたほうが分かりやすいかと思います。
スペースに合わせないほうがゆとりを生む
あまり美しくないですが(苦笑)、我が家の押入れの下段はこのようになっています。使用しているのは天馬の「フィッツユニットケース(L) 3923」で、2段重ねにしてキャスターを取り付けて使用しています。
スペース的には3段重ねでも問題ないのですが、3段に重ねるほど収めるべき洋服はないし、逆にフィッツユニットケースの上に乗せているモノの置き場所に困ってしまいます。また、3段重ねにするとフィッツユニットケースの上には中途半端なスペースしか残りませんが、2段重ねにすることでまとまったスペースを生み出すことができるのです。
スペースに合う引出式衣装ケースはあります
天馬のフィッツユニットシリーズよりもサイズバリエーションが豊富なフィッツシリーズならこんなにもたくさんのラインナップがあります。これほどサイズバリエーションが豊富な引出式衣装ケースは他に存在しません。
これらを組み合わせれば、ほとんどどんなお宅の押入れにでもピッタリ収めることができます。これはとても素晴らしいことですが、もし私がスペースに合わせて引出式衣装ケースを揃えていたらどうなっていたでしょう?言うまでもなく、フィッツユニットケースの上に置いたモノの置き場所に困っていたはずです。
収納は完璧を目指すよりファジーが良い
片づけが苦手という方は几帳面で完璧主義な人が多いです。だからついつい、スペースに合わせて収納グッズを選びがち。しかし、モノというのはよほど注意しておかない限り、どんどん増えていってしまいます。
そのときに収納スペースにピッタリ合わせて収納グッズを収めていることは諸刃の剣となってしまうのです。言い換えると、ゆとりがないのです。そうならないように、収納スペースに合わせるよりもモノの大きさに合わせ、もっと言えば自分や家族が使いやすい位置や収納方法を考えて収納グッズを選ぶべきなのです。
収納は完璧を目指したほうが良いという意見もあります。もちろんそれは否定しませんし、それができれば一番理想的だと思います。しかし実際にそうするためには、片づけのモチベーションを常に持ち続ける必要があります。人が変わったように。だから完璧に片づけられるようになるとその人自身が変わり、人生も変わるのです。ですがもし、そこに違和感を感じたり、家族の反感を買いたくなければ、収納はあくまでもファジーで良いと私は思います。
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