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島忠ホームズがTOBでニトリの傘下に!シマホはこれからどうなるのか?

島忠ホームズがTOBでニトリの傘下に

先日11月13日に、ニトリホールディングスは島忠に対するTOB(公開買付)を11月16日から開始することを発表しました。同時に、両社はTOBを通じて経営統合をすることに同意しました。まだTOBは完了していないものの、このままいけば島忠ホームズがニトリの傘下となるわけです。

島忠に対しては先にホームセンター大手のDCMがTOBすると発表していたため、ニトリが後出しジャンケンで勝ってしまったという構図です。先に島忠とDCMが合意していたのにニトリが金にモノを言わせて割って入ったということもあるのでしょう。世間では「シマホがニトリに染まってしまうのはイヤだ」という声が多くなっていました。

ですが私はむしろシマホがDCMの傘下にならなくて良かったと思っています。今回はその理由を述べるとともに、今後シマホとニトリがどのような道を歩むのかを予測してみたいと思います。

 

シマホがDCM傘下にならなくて良かった理由

シマホがDCM傘下になるとHC売場に魅力がなくなる

たらればの話を書いても仕方がないのでここは簡潔にまとめます。

私は基本的に収納グッズを中心に売場を見ているのですが、DCMのプライベートブランド商品はどうも面白味がありません。ホームセンター業界で売上第1位のカインズにはシンプルでオシャレな商品が多く、第3位のコーナンには圧倒的な安さがあります。第4位のコメリも独自商品の開発に意欲的です。

対して業界2位のDCMはと言うと、どうも売れ筋をそつなく仕上げた感じが強くて個性がありません。DCMに行かないと手に入らないと感じる商品が乏しく、かと言って安いと感じることもないです。いくらシマホがプライベートブランド商品を強化する必要があると言っても、それで消費者にメリットを感じてもらえるとは思えないのです。

現状のシマホの売場はプライベートブランド商品がほとんどなくてプロパー品ばかりです。この状態は他社、特に近年はネット通販との競争にさらされやすいうえに粗利の確保に苦しみます。しかしながら、プロパー品はそもそもロットが多いため価格を抑えることができ、また販売状況に応じてオリジナル商品よりも入れ替えがしやすいので消費者にはメリットが多いのです。

つまり、経営面で見ればシマホがDCMのオリジナル商品を導入することで粗利率の改善が見込める一方、消費者にとっては商品の選択肢が狭まってしまうというデメリットのほうが大きいと考えられるわけです。

島忠がDCMに安く買い叩かれなくて良かった

先にDCMが島忠のTOBを公表した際の買付価格は1株あたり4,200円でした。対して後出しのニトリが提示したのは5,500円。実に約3割も高い価格を提示したわけです。

この価格設定について経済誌の多くは「おねだん以上ではない=割高」と口を揃えました。しかし、島忠は2020年8月期の決算を見る限り、家具や日用品の販売では利益が出ておらず不動産収入で利益を叩き出している状態です。つまり、よそに貸すほど不動産を持っているわけです。

本日11月16日現在、島忠のPBR(株価純資産倍率)は1.28倍となっており、その点だけで言えば確かにニトリの買付価格は割高で、DCMのほうが妥当です。しかしながら、これはあくまで簿価の話ですから、ひょっとしたらニトリのほうが適切な買付価格だった可能性もあります。

今後、ニトリは島忠と協業する中でシマホの店舗をニトリに転換する可能性もあるでしょう。これにより、ニトリが手薄だった首都圏で好条件の物件を手に入れることができます。

いずれにせよ、島忠視点で見ればニトリのほうが島忠の資産を高く評価してくれたというわけで、DCMよりも好条件だったことは間違いありません。

DCM傘下になると家具の販売をやめていた可能性も

ここはあくまで私の憶測に過ぎませんが、DCM傘下になればシマホは将来的に家具の販売をやめていた可能性があると思います。島忠はセグメント別の売上を公表していませんが、Yahoo!ファイナンスの情報を見る限り家具の売上は全体の約20%に過ぎません。

対してDCMは家具の販売はおこなっておらず純粋にホームセンターを経営していると言える状況です。ニトリの傘下に入るとシマホがニトリ化してしまうと危惧するのであれば、同様にシマホが家具を扱わなくなる可能性もあったのではないでしょうか。いわゆる選択と集中という手法です。

実際、シマホはこれまでも家具売場を減らし続け、空いたスペースをテナントとして貸していたように思えます。DCM傘下になればその動きに拍車がかかることは必至で、ニトリ傘下になったほうが家具売場が守られる可能性が高いのではないでしょうか。

 

ニトリ傘下となったシマホの将来性

シマホの家具売場が全国に!

  • 物流およびECでの協業によるコスト削減
  • ニトリとは異なる価格帯の家具の販売を全国展開
  • HC・HF商品の相互供給
  • PB商品のノウハウ提供
  • 店舗開発および運営コスト削減
  • 共通ポイントの導入
  • 海外展開の支援

両社の経営統合契約ではザッと以上のような内容が盛り込まれています。だいたい想定内のことですが、中でも喜ばしいのが家具に関してはニトリと同化させるのではなくシマホが扱ってきた取引メーカーの家具を関西や首都圏以外でも販売できるように進めていくということ。言い換えると、基本的には島忠をニトリにしてしまうということはないということです。

でもこれはちょっと予想通りでした。似鳥会長の性格からすれば、東京インテリア家具に好きなようにさせる気はないでしょうから、島忠ブランドを東京インテリア家具にぶつけていくことになると思います。ひょっとすると今後、島忠を足掛かりにほかの家具販売店がニトリの傘下になる可能性もあるかもしれません。

ニトリにDIYコーナーが?

今後、ホームセンター商材やホームファッション商材が相互に補完されるということなので、カラボ、インボックス、ファイルボックスなどのニトリのオリジナル商品がシマホで扱われることは必至でしょう。これは両社の粗利益率や物流効率の向上に寄与するはずです。

一方で、ニトリの横にシマホの日用品群やDIY、エクステリア品群に特化した店舗が併設されるというのも現実的に考えられることです。そうするとニトリはより集客力を増しますし、消費者としてもこれまでニトリでは揃わなかったDIY用品までもが一箇所で手に入ることになります。

そう考えると、島忠はDCM傘下にならなくて本当に良かったですねー。DCM傘下だったら普通のホームセンターから脱し切れていなかったでしょうから。

 

シマホを手に入れたニトリのメリット

2032年に3000店舗&売上高3兆円が達成可能に?

一方、今回のTOBでシマホを手に入れたニトリのメリットはどこにあるでしょうか。前述の通り島忠が持つ不動産を活用できることや協業によるコスト削減などのほかにもたくさんあると思いますが、一番大きいのは”2032年に3000店舗&売上高3兆円達成”という目標が現実味を増すことではないでしょうか。

ニトリの2020年2月期決算によると、現在の店舗数は607店、売上は6,422億円です。一方の島忠はと言うと、2020年8月期決算において店舗数は61店、1,535億円です。両社を足しても668店、7,957億円で、ここから4倍程度の規模にしないといけないわけですが、少なからず目標に近づいたことは間違いありません。

おまけに、シマホの成長余力はまだまだあると私は見ています。シマホと業態が近いナフコの2020年3月期決算を見ると、店舗数は358店、売上は2,177億円です。西日本をホームグラウンドとして戦っているナフコでその規模ですから、主に首都圏を抑えているシマホが全国展開したら飛躍的な成長が見込めるかもしれません。

また、今回のシマホのTOBで手応えを感じて、ニトリは更なるM&Aを進める可能性もあるでしょう。そうなってくると不可能に思えた3兆円も実現可能になります。

ホームセンター商材で売上大幅増が見込める

ニトリ、島忠ともに、もともと家具店からスタートし、より生活に身近な日用品を販売することで大きく成長しました。しかしながら、ニトリはあくまでホームファッションが中心で、シマホのように洗剤やコンパネなどは扱っていません。ニトリから見れば、シマホのほうがより生活に身近な商品を扱っているわけです。

ニトリはこれまでアパレルや化粧品にも触手を伸ばしていますが、まだ大きな成果は得られていません。しかし、シマホが持っているホームセンター商材を手に入れれば新たな鉱脈を手に入れることができます。

ホームファッション商材は消耗品とは言え、毎日消費するわけではありません。ですが、食器洗剤や洗濯洗剤は毎日消費されます。また、コンパネやネジは大工が日常的に大量に買って行きます。粗利率は低くても大きな売上が見込めるわけで、目標とする3兆円を達成する大きな原動力となることでしょう。

 

世間の評価はどうだか分かりませんが、以上の通り、私にはニトリ&島忠連合にはバラ色の未来が待っているとしか思えません。多少の犠牲は伴うかもしれませんが、シマホはきっと今よりも良くなっていくことでしょう。

ただ、シマホの店舗は年季が入っているところが多いので、手入れに相当のコストが掛かるでしょう。また、いくら理屈では絶好の組み合わせでもシマホの売場が魅力を失うことになっては、シマホはニトリにとっての負債になりかねません。

そこのところをうまくやって、ぜひ家具でもホームファッションでもホームセンターでも1位の連合体に育っていってくれることを願っています。

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