知っているようで意外と知らない!?収納の必需品「突っ張り棒」のヒミツ

もはや国民的収納グッズと言って良い「突っ張り棒」。使ったことがないと言う人はいても、知らないと言う人を探すのは難しいと思います。

そんな日本国民にとってメジャーすぎる突っ張り棒は、現在、日本で突っ張り棒トップシェアを誇る平安伸銅工業が1975年に発売しました。アメリカに出張した際にシャワーカーテンを吊り下げる道具として使われていたテンションポールを見て、収納用品として売れるんじゃないかと考えたところからスタートしたそうです。

それから40年余り。突っ張り棒は進化しながら普及していきましたが、シンプルさゆえに気付かれていないことも多くあります。そんなわけで今回は、収納の必需品「突っ張り棒」のヒミツに迫ってみたいと思います。



突っ張り棒には2つの構造がある!

私が収納のプロとして多くのご家庭に伺う中で驚いたのが、突っ張り棒のことをよく知らない方がとても多いことです。クライアントが「何度やっても突っ張り棒がすぐに落ちちゃうんです」と言うので見てみると、商品の選択を間違っているということもよくありました。

突っ張り棒の構造には2種類あるんですね。

バネタイプ

ポールの内部にバネが仕込まれていて、ポールの端をクルクル回すことで伸縮するのがバネタイプです。耐荷重が最大で5kgと大きくないため、基本的に洋服を掛けるのには適しません。

一方で後述する強力ジャッキタイプと異なりポールの途中に出っ張りが少ないので、カーテンなどを掛けるのに適しています。100円ショップで販売されているのも基本的にこのタイプですね。

ちなみにバネタイプは小さいもので13cm、大きなもので280cmまであります。

強力ジャッキタイプ

もうひとつは強力ジャッキタイプ。適切な長さに伸ばしてから中央のネジを締めて長さを固定。そのうえで端のパーツを回してジャッキの要領で突っ張ります。

強力ジャッキタイプは壁と接するパーツを大型化することなどにより、50kg以上もの耐荷重を備えているものもあります。中央にネジが出っ張っているうえに太いのでカーテンを掛けるには適しませんが、洋服などを掛けるには最適です。

ちなみに、強力ジャッキタイプの長さは50~283cm程度となっています。

突っ張り棒は最大限に伸ばすと耐荷重が落ちる!

平安伸銅工業・RTW-75耐荷重50~30kg 取付寸法75~120cm

たとえば幅115cmのスペースのところに突っ張り棒を設置して洋服を掛けたいと考えたとしましょう。そこでホームセンターに足を運ぶと、店頭に取付寸法が75~120cmの「RTW-75」と同じく110~190cmの「RTW-110」がありました。一般的に長さが短いほうが価格が安いので「115cmなら120cmまで対応するRTW-75で良いよね?」と考えてしまいがちです。しかし、この場合はRTW-110を選ぶのが正解なのです。

その理由は上図の通り、突っ張り棒は伸ばせば伸ばすほど耐荷重が小さくなるからです。120cmまで対応するRTW-75の場合、115cmまで伸ばすと耐荷重は30kg強となります。一方でRTW-110を長さ115cmにして設置した場合、耐荷重は40kg前後となります。

突っ張り棒は設置するスペースよりも長くても短くてもダメですが、できるだけ短い状態で使ったほうが耐荷重が大きいのです。

突っ張り棒は壁に下地のあるところに突っ張ろう

適切な突っ張り棒を選ぶことができても、設置方法を間違ってしまったためにすぐに落ちてしまうということもあります。

突っ張り棒は壁と壁の間を突っ張ることで固定する仕組みであるため、壁に下地のないところで突っ張った場合は両側の壁が左右に広がってしまい、突っ張り棒が落ちてしまいます。ひどい場合には突っ張り棒が壁を突き破ってしまうこともあります。なので、突っ張り棒は必ず下地のある場所に設置するようにしましょう。

下地は45cm間隔で入っていることもありますが、押入れなどの場合は90cm間隔であることのほうが多いです。つまり、押入れの奥と手前の角にしか下地が入っておらず、その中間には下地がないことが多いのですね。その場合は下地同士を繋ぐように板を渡すことも考えられますが、突っ張り棒はあきらめて自立式のハンガーラックを検討したほうが無難です。

また、下地のあるところに設置しても壁面が石膏ボードむき出しの場合などは滑りやすくなります。その場合はキッチン用の滑り止めシートを挟むようにしましょう。セリアなどの100円ショップでも購入できます。

突っ張り棒落下防止グッズでさらに強力に!

ウエルスジャパンの「突っ張り棒が落ちない君」(上写真)などの突っ張り棒落下防止グッズを使えば、より確実に突っ張り棒が落ちないようにすることもできます。平安伸銅工業にも「突ぱり強力サポート板」という商品があります。

いずれも石膏ボード壁専用で、壁にホッチキスのステープルで固定します(平安伸銅工業の突ぱり強力サポート板は木質系の壁にネジで固定することも可能)。壁に引っ掛かりを作ることで、突っ張り棒が落下しにくくなるというわけですね。

長い突っ張り棒は真ん中で支えるのも有効

突っ張り棒自体は最大で3m近くのものもありますが、それだけ長いと洋服などをたくさん掛けてしまいがちで、余計に突っ張り棒が落ちてしまいやすくなってしまいます。そんなときは「強力支え棒」(上写真)を使って真ん中で支えてやるのがベターです。

高さに応じて押入れ用とクローゼット用があります。

木目調やステンレス製もあり

ここからは様々な突っ張り棒を紹介したいと思います。突っ張り棒と言えば白色が一般的ですが、木目調のものもあります。また、ブラック色のものもあります。

そのほか、風呂場や洗面所など湿気の強い場所で使うのに適したステンレス製のものもあります。

インテリアに最適なオシャレなものもあり

実用性よりもインテリア性を重視した突っ張り棒もあります。平安伸銅工業の「DRAW A LINE(ドロー ア ライン)」は黒または白のマット塗装で質感が良く、ネジも真鍮でできているなど、細部までデザインにこだわっています。オプションパーツも豊富で、棚やフックだけでなく、照明器具もあります。

そのほか、umbra(アンブラ)のテンションロッドもオシャレな突っ張り棒の定番です。

突っ張り棒の端だけ「ラブリコ」

強力ジャッキタイプの突っ張り棒を使っていると、真ん中のネジが邪魔だと感じるときがあります。そんなとき、「突っ張り棒の両端さえあれば…」と思ったりするわけですが、平安伸銅工業の「LABRICO(ラブリコ)」はまさにそれです。2×4材(ツーバイフォー材)を任意の長さでカットし、その両端にラブリコをセットすれば天井と床を突っ張る突っ張り棒になります。

個人的には2×4材や1×4材だけでなく、ラミン丸棒やステンレスパイプを突っ張れるラブリコが登場すればもっと良いのになーと思っています。

以上、突っ張り棒についてあれこれ紹介しました。なんだか平安伸銅工業のために作ったようなページになりましたが、突っ張り棒は平安伸銅工業とともに発展してきたのだと改めて思わされます。

シンプルだからこそ奥が深い、賃貸住宅でも気軽に使える、誰でも簡単に設置できる突っ張り棒。これからもその世界はどんどん広がっていくのではないでしょうか。

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