5年ほど前から粘着ジェルマットが流行り始めて、私もいくつか試しました。最近は透明のテープ状のものも登場していますが、用途としては同じようなものです。何かを仮止めするには強力すぎ、逆に何かを固定しようと思ったら割りとあっさりと落ちてしまったりして、イマイチ使い物になりません。
そんなわけで、同様の商品が100円ショップで売られるようになっても興味が持てませんでした。しかし、先日セリアで見つけたのは山田化学の商品でした。胡散臭いメーカーならともかく、山田化学が扱うならマトモだろうと思って、試してみることにしました。
※この記事は2022年4月8日時点の情報に基づいています
山田化学・粘着ゲル両面テープ
今回ご紹介するのは山田化学の「粘着ゲル両面テープ」です。クロコダイル(超強力)、ヤモリ(貼って剥がせる)、カエル(仮留め)の3種類があります。
収納マンの地元では最初にセリアでクロコダイルとカエルを見つけ、直後にダイソーでヤモリとカエルを発見しました。ワッツでは現物を見ていませんが、公式ホームページを見る限り3種とも扱っているようです。
では、それぞれ詳しく見て参りましょう。
カエルグリップ(仮留め)
商品名 | 仮どめ両面粘着ゲルテープ |
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型番 | No.1061 |
JANコード | 4965534106115 |
サイズ(mm) | 幅20×厚み1×長さ1000 |
材質 | ポリウレタン |
接着に適する素材 | ガラス、タイル、大理石、陶器、ABS樹脂、アクリルなど、金属(鉄・アルミ・ステンレス・銅など)、木材(表面がなめらかなもの・毛羽立ちや特殊なコーティングのものは不可) |
接着に適さない素材 | 劣化した壁紙、破れやすい紙類(和紙・ボール紙など)、塗装面、レンガ、凸凹が大きいもの、レザー、繊維、PE・PP系の素材など、特殊加工面(撥水加工・フッ素・シリコーンなど)、球面、ゴム、水がかかる面、粉塵がかかる面 |
メーカー | 山田化学 |
製造国 | 中国 |
税込価格 | 110円 |
取扱店 | ダイソー、セリア、ワッツ |
※メーカー以下は同じなので以後省略
仮留め用のみ厚み1mm
3種とも幅20mm、長さ1mで、仮留め用だけ厚みが1mm、ほかは2mmです。ただ、厚み以外は見た目には違いは感じられません。いずれも透明で、触るとネチョーッとしています。外側にだけ保護フィルムが付いています。
以下、耐荷重の測定はいずれも100mm分を切って使った場合です。
ポスターすら壁紙にはくっつかない
仮留め用は弱粘着とも書かれており、劣化した壁紙には適さないとされています。逆に言うと劣化していない壁紙なら問題なかろうと考えて、まずは67gのプラボックスを壁紙に貼り付けてみました。しかし、わずか数分で落下。
気を取り直してA2版のポスター(12g)を貼り付けてみたものの、こちらもあえなく落下。A4コピー用紙(7g)なら大丈夫ですけど、確かに”メモ用紙の仮留めなどに”と書かれている程度だと感じました。表面のテクスチャーにもよるのでしょうが、基本的には壁紙には適していないのだと思います。
カラーボックスなら約500g程度までOK
次に、表面がプリント紙化粧合板のカラーボックスの側面に貼り付けてみました。100g程度から順に重りを増やしていったところ、約500gまでは耐えました。プリント紙が剥がれることもありませんでした。
冷蔵庫の表面(スチール)でも試してみましたが、同様に耐荷重は約500gでした。弱粘着という割りには意外と強力です。
ヤモリグリップ(貼って剥がせる)
商品名 | 剥がせる両面粘着ゲルテープ |
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型番 | No.1147 |
JANコード | 4965534114707 |
サイズ(mm) | 幅20×厚み2×長さ1000 |
材質 | ポリウレタン |
接着に適する素材 | ガラス、タイル、大理石、金属、木材(表面がなめらかなもの・毛羽立ちや特殊なコーティングのものは不可) |
接着に適さない素材 | 布、PE・PP系の素材など、壁紙、表面がデリケートな和紙、劣化した紙類、塗装面・類似のもろくなった表面も含む、レンガなど、凸凹が大きいもの、レザー(その他、コーティングされているもの) |
強粘着なのに耐荷重は約500g
続いてヤモリグリップ。こちらは壁紙には適さないとハッキリ書かれているので、最初からスチール面で試しました。また、こちらのほうが強粘着ということなので、いきなり約600g(500mlペットボトル+プラボックス)からスタートしたのですが、わずか数分で落下。結果的にこちらも耐荷重は約500gとなりました。
まあ冷静に考えて、材質が同じなら厚みが2倍になっても粘着力が増すわけがないですよね。山田化学って案外いい加減な会社だったようです。
クロコダイルグリップ(超強力)
商品名 | 超強粘着両面ゲルテープ |
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型番 | No.1059 |
JANコード | 4965534105910 |
サイズ(mm) | 幅20×厚み2×長さ1000 |
材質 | アクリル |
接着に適する素材 | ガラス、タイル、大理石、金属、木材(表面がなめらかなもの・毛羽立ちや特殊なコーティングのものは不可) |
接着に適さない素材 | 布、PE・PP系の素材など、壁紙、表面がデリケートな和紙、劣化した紙類、塗装面・類似のもろくなった表面も含む、水がかかる面、レンガなど、凸凹が大きいもの、レザー(その他、コーティングされているもの) |
耐荷重は推定3kg以上!
ヤモリの粘着力が期待したほどではなかったので、クロコダイルも大したことはないだろうと高を括っていました。ところが重りを100gずつ追加して1kgに達しても落ちません。面倒臭くなって1リットルのパックを乗せていったところ、1リットル×3本(=約3kg)までは乗せることができました。
ただし、1時間もしないうちにパックがすべて落下。プラスチックのボックスが重さに耐えかねて変形してしまうのです。一方で、超強粘着両面ゲルテープ自体は強力に貼り付いたままでした。もし、今回の実験がプラボックスではなく、接着面が大きなフックを用いて3kgの重りを吊るす方法で測定していたら、3kgは問題なくクリアしていたことでしょう。
アクリル製だから強粘着
クロコダイルの粘着力はカエルやヤモリとは比較にならないほど強力で、冷蔵庫に貼り付けたプラボックスを剥がすのに苦労しました。ともすればプラボックスが壊れるんじゃないかと思うくらい強力に貼り付いていたのです。
ちなみに、カエルとヤモリは材質がポリウレタンで、クロコダイルだけはアクリルです。見た目は変わらないのですが、根本的に性質が異なるようです。
防水で屋外使用OKでも水のかかる場所はNG
クロコダイルグリップのパッケージ表面には”屋外使用にも”と謳われています。アクリルは耐候性が高く(=紫外線に強い)、耐熱温度もおよそ日本全国の年間の気温変化の範囲内ですから、問題ないということなのでしょう。
しかし一方で、”防水”と表示されているのに”水のかかる面”は適さないと書かれています。あまり厳密に考えないほうが良いのかもしれませんが、こういう矛盾が生じる表現がなされていると、メーカーの信用を損ねかねないと思います。
ちなみに、今回は主にポリスチレン(PS)製のプラボックスを使用しましたが、PE(ポリエチレン)・PP(ポリプロピレン)系の素材の貼り付けには適さないということです(カエル、ヤモリ、クロコダイルともに)。適さないとされる素材が結構多くて、厳密に考えると使い勝手が悪いように感じます。
以上の通り検証した結果、カエルとヤモリは粘着力は同程度に過ぎないと言える一方、スチール面など平滑面であれば思った以上に強力に貼り付くことが分かりました(10cmあたり約500gの耐荷重)。また、クロコダイルのほうは期待以上に強粘着で、使用状況によっては10cmあたり3kg以上でも耐え得ると思います。
カエルとヤモリは水で洗ってホコリなどを除去すれば再利用可能。また、私が試した限りではコピー用紙の表面が剥がれてしまうということもなかったので、メモ用紙や軽いモノの仮留めに良いでしょう。貼り付けられる面の特性はクロコダイルと大差ないので、強力に貼り付けたいならクロコダイル一択で問題ないのではないでしょうか。
クロコダイルは防水で屋外使用もOKということなら、私がもっとも信頼する3M(スリーエム)の「超強力両面テープ スーパー多用途 粗面用」の代用も可能だと思います。3Mのほうはアクリルフォームなので剥がすときにブチブチと千切れますが、クロコダイルはアクリルゲルなので千切れにくく、後始末がしやすいです。もっとも、経年変化で変質する可能性はあるので、そこは注意が必要でしょう。
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