10年保証(笑)でもイケアのPAX(パックス)ワードローブ・システムはクローゼットとして結構使えると思う

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IKEA(イケア)のワードローブ・システム「PAX(パックス)」。以前に家具組み立てサービスが無料になるキャンペーンを実施されるなど、IKEAも販売促進に力を入れている定番大型商品のひとつです。

今回は「パックスって実際のところどうなの?」というところを私なりに説明してみたいと思います。

※この記事は2015年3月4日時点の情報に基づいています(2022/09/19一部更新)

 

PAXはシンプルでDIY感覚のワードローブ

イケアのパックスは、必要な幅のワードローブフレーム(外箱)を選び、ハンガーパイプ、引出、扉などのお好みのパーツをチョイスして、DIY感覚で自分のニーズに合ったワードローブを作ることができます。デザインも構造もシンプル。価格もリーズナブル。

日本の家具業界では「クローゼットがあるからワードローブなんて売れない」なんて馬鹿なことがまことしやかに言われていましたが、イケアのパックスはそんな憶測など吹き飛ばすように売れているように感じます。

パックスの品質保証は10年!…なわけないじゃん(笑)

イケア・PAX(パックス)ワードローブ・システム

イケアの家具はワールドワイドに販売されており、世界中の消費者に支持されている一方で、「使い捨て家具」と揶揄されていることもまた事実です。基本的に私の考えは後者ではありますが、逆に言えば「使い捨て家具」と考えるならばイケアの家具を買うことは非常に良い選択肢だと思います(ただし自己責任という概念は必須)

イケアのミケル・オルソン前CEOは「使い捨て家具」という批判について日経ビジネスオンラインでのインタビューで否定していましたが、でもやっぱりどう考えたって構造的には使い捨て家具です。パックスは「品質保証10年」と大きく宣伝していますが、「PAX(パックス)品質保証のご案内」という冊子をよく読めば、それが消費者がイメージする「品質保証」とは大きくかけ離れていることが分かります。

まず、使用しているパックスが壊れたときに品質保証を受けるには、”購入を証明するレシートの原本が必要”です。果たして10年後までレシートを保管している人がどれだけいるでしょうね?

それよりも重要なポイントは、”パーツの材質または加工の不良に適用”されるのみだということ。また、”日常的な使用による摩耗、破損、傷、あるいは衝撃や事故による破損、間接的損害、付随的損害には適用されません”。つまり、品質保証は製品に欠陥があった場合に適用されるのみであって、「普通に使っていたのに壊れたよ!」と怒ったところで何の保証も受けられないのです。9年目になってから構造的欠陥に気づいて、なおかつレシートを保管していれば保証は受けられますが、普通に考えれば構造的欠陥には購入または設置時に気付きますよね。なんとまあ、大層な品質保証を掲げるものです。

 

過剰な期待をしなければ、イケアのパックスは「買い」!

このようにイケアのやり方は「優良誤認」(景品表示法第4条第1項第1号)と判断されかねないところが多々ありますが、「使い捨て家具」と割り切って自己責任の念をもってすれば、イケアのパックス自体には他の多くのイケアの家具にあるような安全上の問題は特に見受けられませんし、シンプルでデザインが良くDIY感覚でカスタマイズできるワードローブとしてオススメできると思います。

私は個人的には使ってみたいですよ。でもお客様のところに持っていく勇気はありません(笑)

 

ちなみに、引越し業者に見積りに来てもらうと、たいてい「IKEAの家具ないですか?」と聞かれます。

なぜそんなことを聞かれるかと言うと、一言で言うとIKEAの家具の多くは分解できないからです。搬出が難しく、搬入も難しいうえに、運ぶときに壊れてしまう可能性も高いからです。

ですから今後、引越しを控えている場合はパックスのようなIKEAの大型家具は買い控えるか、購入した場合は自分で解体して粗大ゴミに出す必要があると思ったほうが良いでしょう。

うーん、とってもサステナブルですねー(苦笑)

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