IKEAのパイン材ラック「IVAR(イーヴァル)」と「HEJNE(ヘイネ)」を比較してみた

IKEA(イケア)のパイン材オープンラックの定番と言える「IVAR(イーヴァル)」。そして2015年に廉価版として投入されたと思われる「HEJNE(ヘイネ)」。同じパイン材オープンラックなのに価格差は2倍以上もあるのはなぜなのか、ちょっと疑問に感じたので詳しく比較してみました。

IVAR(イーヴァル)

イーヴァルとヘイネを比較した場合、もっとも異なるのは柱の構造です。イーヴァルはラダー状になっており、棚板はピンダボで支える構造です。また棚板は集成材であるためフラットです。

HEJNE(ヘイネ)

ラダー状の側板を持つイーヴァルと異なり、ヘイネは平たい板状の4本の柱で棚全体を支えています。そしてスノコ状の棚板を柱にネジで留める構造です。

ちなみにイーヴァル、ヘイネともに、奥行は約30cmと約50cmの2サイズで、高さはイーヴァルが179cm、ヘイネは171cmです。幅はヘイネのほうがイーヴァルに比べて11cm狭い78cmで1サイズのみです(イーヴァルは幅2サイズ)。



イーヴァルの棚板の価格はヘイネの2倍

イーヴァル、ヘイネともに、パーツがバラ売りされているので、それぞれの価格を比べてみたところ、棚板2倍、柱は4倍の差があることが分かりました(奥行約50cmの場合)。

まず棚板から見ていくと、意外なことに素材が違いました。イーヴァルはパイン無垢板の両端に強化ポリアミド樹脂のサイドレールが取り付けられています。この樹脂パーツが反り止めと棚受けを兼ねています。一方のヘイネの素材は「パイン又はスプルース無垢」となっています。スプルースもパイン(松)の仲間ですが唐檜(とうひ)と呼ばれるもので一般的に軟らかいです。

そう言うと「ヘイネはイーヴァルよりも安い材木を使っているから安いの?」という話になるかもしれませんが、たぶんそういうことではないと思います。それよりもコストに大きく影響を及ぼしているのは、イーヴァルはハギ合わせ工程が必要な集成材であるのに対し、ヘイネはスノコ状に板を並べて両端の反り止めで固定しているだけということです。より分かりやすく言うと、イーヴァルの棚板のほうが作るのに手間が掛かるということです。

イーヴァルの棚板のほうが棚板がフラットでホコリが溜まりにくく美しい、その代わりに値段が高いと言えるかと思います。

イーヴァルの帆立もヘイネの柱より手間が掛かる

ヘイネの柱もやはり「パイン又はスプルース無垢材」となっているのですが、基本的には製材された木材を柱の形に切り出して穴開け加工を施しただけです。一方でイーヴァルの場合はラダー状に組み立てなければならず、おまけにかさ張るため輸送コストも高くつきます。結局のところ、イーヴァルの帆立(サイドユニット)もヘイネの柱より手間が掛かるので価格が高くなっているのです。

コスト重視のヘイネ、使いやすさ重視のイーヴァル

もともとIKEAにはイーヴァルがありながらヘイネを投入したのは、おそらく価格対応の必要に迫られたたのだと思われます。イーヴァルは決して安くありません。そのことは無印良品のパイン材ユニットシェルフと比較すれば明らかです。

無印良品の「パイン材ユニットシェルフ86cm幅・大」の価格は税込15,000円。サイズも価格もイーヴァルとそれほど変わらないのですが、無印良品はキズに強いUV塗装が施されているのです。一方のイーヴァルは無塗装ですので、もしイーヴァルにもUV塗装が施されていたら倍近い価格になっていると思われます。塗装というのは設備投資がかさむうえに、手間も掛かり、検品も重要になるからです。

そういう事実が分かっていると、IKEAのイーヴァルを買う理由はほとんどありません。イーヴァルを買うとしたらそれはただのIKEA信者です。IKEAはそれをよく分かっており、「IKEAは家具が安い」と消費者を洗脳する必要があるため、ヘイネを投入する必要があったのです(おそらく実際のコストの差だけでなく戦略的に価格設定をしていると思われます)。

一昔前であればヘイネとほとんど同じような形のパイン材ラックは同程度の価格で日本でも買うことができました。しかしこの形は古臭くて、今は日本のホームセンターなどではほとんど売られていません。ネットで調べてみたところ、現在では1万円くらいでしか見つけることができませんでした。ロットが捌けないとどうしても高くなってしまうのです。

つまるところ、コスト重視であればヘイネを買う理由はあると思います。一方のイーヴァルはヘイネよりも使い勝手が良いということで選ぶ理由があります。ネジで棚板を固定するヘイネと異なり、挿し替えが容易なピンダボで棚板を支えるので、棚板の高さ調整が容易だからです。また2台以上のイーヴァルを連結した場合は、棚板の高さを揃えることができるというメリットもあります。

しかしIKEAの外に目を向ければ、UV塗装の無印良品のパイン材ユニットシェルフのほうがコストパフォーマンスに優れています。無印良品であれば日本全国の店舗のほか、ネットでも入手が可能です。IKEAのように事前にストア在庫を確認して店舗に赴いたのに在庫がなかったなんて馬鹿げたこともありません。割れたり反ったりヤニが出たパイン材のパーツを選り分ける必要もありません。品質基準はあきらかに無印良品のほうが上です。無印良品をことさら褒めるのは非常に気持ち悪いんですが(苦笑)、家具のプロとして見ればこれは紛れもない事実です。

イーヴァルとヘイネを比較していたはずが、横から無印良品の乱入となってしまいましたが、まあそういうことです。私自身は無印良品のパイン材ユニットシェルフが仕様変更する前にイーヴァルを買ってしまいました。無塗装のイーヴァルの棚板にはホコリが付きやすくて厄介です。個人的にはイーヴァルやヘイネよりも無印良品をオススメします。

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