最近、どこのホームセンターに行っても平安伸銅工業の「ラブリコ」を見ます。ラブリコが発売されるまでは一部のマニアックな方が「ディアウォール」を使うなどして2×4材でDIYを楽しむ程度だったのですが、最近は随分と2×4材がインテリアの材料として使われるようになりました。
これって製材業界から表彰されても良いレベルの貢献度じゃないでしょうか。ホームセンターとしてもラブリコ様様だと思います。
ともあれ、あまりにどこに行ってもラブリコが店頭にディスプレイされているので、思わずカインズでも「またか」とスルーしてしまいそうになりましたよ。
※価格および仕様はすべて2019年5月23日現在
kumimoku 2×4用アジャスター
こちらが思わずスルーしてしまいそうになったカインズのDIYブランド「kumimoku(クミモク)」の「2×4用アジャスター」です。上写真はシルバーなのでこれだけ見たらオリジナル商品だと分かりますけど、店頭にディスプレイされていたのはブラックだったので「ラブリコ・アイアン」だと思いました。
クミモクの2×4用DIYパーツには他にも多くのラインナップがあり、そこにシルバーのものが混じっていて、それで初めて「あれ?ラブリコ・アイアンじゃない!」と気付いた次第です。
ラブリコ・アイアンとの違い
前述のクミモクとラブリコ・アイアンの2×4用アジャスターを比較すると、いくつか違いがあることが分かります。まず、クミモクは真上からネジで固定するのに対し、ラブリコは横からネジで固定するようになっています。こういうのは前後左右方向に力が加わる可能性が高いことを考えると、真上からネジで留めるというのは割れやすくていけないですね。
また、2×4材は長手方向、つまり天地で突っ張る場合は天地方向に木目があるわけですから、木目と同じ向きにネジを留めると割れやすくなります。前後左右に力が加わると一瞬で割れる可能性があるので、残念ながらクミモクは構造からして欠陥品と言わざるを得ません。これはDIYブランドとしてのクミモクの地位を揺るがしかねない致命的ミスです。
それでいて、ラブリコのほうがちょっと価格が高い程度ですから、普通に考えてクミモクを買う理由はないでしょう。ただし、クミモクは日本製、ラブリコは中国製です。
クミモク2×4用パーツのラインナップ
商品名 | 税込価格 |
---|---|
2×4用アジャスター | 980円 |
1×4用アジャスター | 880円 |
ジョイント金具 | 980円 |
Lアングル | 498円 |
水平棚受 | 980円 |
2本連結金具 | 498円 |
3本連結金具 | 598円 |
スベリ止めシート2×4用 | 178円 |
スベリ止めシート1×4用 | 128円 |
クミモクには1×4用アジャスターもあり、こちらも同じように真上からネジ2本で留めるかたちです。横方向からの力に耐えるのは絶対に無理で、完全なる欠陥品です。
ジョイント金具は2本のバイフォー材を1本に繋ぐもの。Lアングルは棚受けとしても使えるもので、水平棚受はそれよりも簡単に水平を確保しやすい形状の棚受金具となっています。
2本連結金具や3本連結金具はコンセプト的には和気産業の「ウォリスト」みたいな感じですね。価格は安くて良いですけど、2~3本のバイフォー材を束ねつつ棚受け金具にもなるウォリストのほうが合理的なようにも思います。
スベリ止めシートはEVA発泡シートで割りとツルツルしており、果たしてこれで滑り止め効果があるのかしらと思ってしまいます。天井の壁紙を傷める心配は少なそうですけどね。
ちなみに、スベリ止めシート以外はすべて、ブラック、ホワイト、シルバーの3色展開です。
というわけで色々とケチをつけてしまいましたが(苦笑)、とにかくクミモクのアジャスターの構造は普通に考えてあり得ないです。20kgという最大耐荷重を前提にすればそこまでシビアに考える必要はないということなのかもしれませんけど、それにしても木材の特性というものを無視し過ぎていると感じます。
ちなみに、ウォリストの「突っぱりジャッキ」も2×4材の上から被せる構造です。どう考えたって、平安伸銅工業や和気産業のほうがDIYパーツを扱うメーカーとしてマトモ。対してカインズはこの商品でかなり下手を打ったと思います。
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