スチール家具、玄関扉、タカラスタンダードのキッチンパネル、ユニットバスの壁面など、マグネット式の収納グッズを活用するシーンは定着しつつあります。しかし、一般家庭で磁石がくっつく場所というのは限定的です。木質系壁や石膏ボード壁、木製家具に囲まれていることがほとんどだからです。
当然のことながら、壁紙には磁石はくっつきません。リフォームをすることでマグネットがくっつくように壁面にスチール板を仕込むことは可能ですが、費用が掛かりますし、賃貸住宅は不可能です。
しかし、原状復帰可能な方法で、かつ簡単にDIYで、壁紙にマグネットをくっつけることは可能です。今回はその方法を5つ挙げてみましょう。
※この記事は2024年11月28日時点の情報に基づいています
粘着式ホワイトボード
まずはもっとも手軽な方法から。シート状の「粘着式ホワイトボード」を壁紙に貼ることで、最大で畳1畳サイズのマグネットがくっつけられる壁面を作り出すことができます。
粘着力は養生テープと同等なので、壁紙が剥がれる心配は少ないと思います。また、上写真は約3kg相当のパック飲料をマグネット式バスポケットに乗せた状態ですが、それでも落ちないほど強力な下地となります。カットして小さい面積で使用することも可能です。
ニトリでもこれと似たようなものが販売されています(マグネットがつくスチールパネル)。ただし、ちょっと割高感があります。
マステ+マグネット補助板
できるだけコストを抑える方法としては、壁紙にマスキングテープを貼った上に、100円ショップなどでも販売されている粘着式のマグネット補助板を貼る方法があります。前述の粘着式ホワイトボードを使う方法よりもピンポイントでマグネット収納グッズを使えるという点もメリットになり得るでしょう。
なお、上写真では分かりやすいように敢えて大きな銀色の補助板を使っていますが、目立たない小さなホワイトの補助板もあります。また、マステは100均のものよりも信頼性の高いカモ井のマステの使用を推奨します。ちなみに、補助板の2倍以上の面積を下地として貼ったほうが良いです。
マステ+粘着式マグネット
壁紙にマスキングテープを貼った上に、粘着式の補助板に代えて粘着式マグネットシートを貼るという方法もあります。この方法ならマグネット式収納グッズだけでなく、スチール製品そのものをくっつけることが可能です。ヘアピンやピンセットのほか、ブックエンドをウォールシェルフのように取り付けることも可能です。
ただし、この場合は強力なマグネットシートを使うことが必須です。セリアで販売されているナカトシ産業の「粘着付マグネットプレート」などを使うようにしましょう。
ホッチキス+PPシート+補助板
マステだと壁紙から剥がれてしまうというときは、100均のPP(ポリプロピレン)シートを任意の大きさにカットしてホッチキスで壁に固定し、その上に粘着式の補助板を貼るという方法がオススメです。あくまでも私個人の体感ですが、マステよりも耐荷重が期待できます。
ただし、ステープルの針穴は小さいとは言え、たくさん打つことになるので、剥がした後はそれなりに針穴が目立つことがあります。気になる場合は壁紙用補修材を使うようにしましょう。
また、この方法は鉛直方向には強い一方で、水平方向に引っ張ったときには容易に抜けてしまうことがあります。マグネット収納グッズを壁面から外すときは、水平に引っ張るのではなく左右または上下にズラしながら外すようにしてください。
くりぴた+PPシート+補助板
「くりぴた」という特殊な接着剤でPPシートを壁紙に貼り、その上に補助板を貼るという方法もあります。この方法はこれも私の体感ですが、マステよりも強力で、かつステープルで固定するのと違って水平方向の引っ張りにも強いです。剥がし跡が残ることもありません。
ただし、くりぴた接着剤1本で貼り付けられるPPシートの面積は50×50mm程度ですから、それより広い面積を貼りたい場合は2本以上必要になります。また、PPシートを挟まずに直接マグネット補助板をくりぴたで貼るというのはやめておいたほうが良いでしょう。剥がした後に壁紙が浮いてしまうことがあります。
なお、くりぴた接着剤と同じものはダイソーやキャンドゥでも購入可能です。
以上、塩ビ壁紙でマグネット収納グッズを使えるようにする方法を5つ紹介しました。
広い面積で、複数のマグネット収納グッズを使ったり、位置を変えられるようにしたいなら、粘着式ホワイトボードを使うのがもっとも効率が良いと思います。
ピンポイントでOKなら他の4つの方法。軽い(100~200g程度)のモノを付けたい場合や、手軽に試してみたいなら、マステを貼る方法が良いでしょう。それなりに耐荷重を求める場合や、針穴が気にならない場合は、ホッチキスで固定する方法がオススメです。
くりぴた接着剤は強力ですが、使いこなすにはコツが必要です。接着剤が乾くまでは軽いPPシートでさえ下にズレてくるので、いきなり補助板を貼ってはいけません。また、丁寧に剥がさないと壁紙を傷める可能性があります。
ニーズに応じて最適な方法をチョイスしてください。
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