先日、ネット上でにわかに「ジェネリックREGZA」という言葉が話題になりました。大手ディスカウントショップの「ドン・キホーテ」が売り出したプライベートブランドの50V型4K液晶テレビの二つ名です。
4K画質の大型液晶テレビにもかかわらず、お値段は税別5万4800円というお手頃価格。しかも、テレビゲームをするのに最適な東芝製のメインボードを搭載していることから、「実質的に東芝のREGZA(レグザ)と同等の性能」などと噂になり、売り切れが続出。予約販売に切り替えるも生産が追い付かず、結局、予約販売も中止となったのです。
私自身はテレビゲームはしませんし、それほど画質にもこだわりませんが、それでも4K画質の50型で税込6万円弱なら素直に欲しいと思ってしまいますね(笑)「ジェネリックREGZA」だなんて世間で騒がれたら、そりゃあ欲しいと思う人が殺到したのも無理はありません。
家具業界でも最近、「ジェネリック家具」と呼ばれるものが存在します。特許が切れた薬品と同等のものが「ジェネリック医薬品」として安価に提供されているように、意匠権が切れたデザイナーズ家具が合法的に模倣して作られ、安く売られているのです。
しかしながら、多くの場合、ジェネリック家具はそれほど安くありません。高価なデザイナーズ家具は本来それ相応の材質が使われており、高い技術力があって初めて再現可能なデザインです。そのため、下手な材料を使って技術力のないメーカーが作ると、恐ろしく安っぽく見えてしまうわけですね。
※この記事は2017年7月2日時点の情報に基づいています(2023年6月7日一部更新)
なんと3万円以下のジェネリック・バルセロナチェア!
ところが、先日サンワサプライが発売した「ジェネリック・バルセロナチェア」とも言うべき「150-SNCG01」がスゴイのです。お値段たったの29,800円(税込)という激安価格!本物のバルセロナチェアだと50万円以上するわけですから、軽く1/10以下です。
なんでこんなに価格が違うのかというと、一番の違いはやはり材質だと思います。本物はもちろん最上級の牛皮です。一方でジェネリックのほうはポリウレタンレザー(合成皮革)。
私は基本的にヨーロッパ製のソファーなんて…と思うほうですけど、やっぱりイタリア製の最高級の牛革は素晴らしいです。一般的に国産の本革ソファーに使われるものと比べると全然ケタが違います。
それをあろうことか合成皮革で張ってしまうなんて…とは思いますが、割りきっちゃえばアリではないかと思います。なんてったって1/10以下の価格ですからね。本物の牛皮は通気性はあるけど合皮には通気性はないとは言っても、牛皮でも真夏に座ればやっぱり汗でベタッとします。また、お手入れのことを考えたら、合皮のほうが手軽で良いじゃないですか。
そのほか、スチールのフレームの質感もウレタンも本物とはまったく違うと思います。それはもう、お値段相当であることは間違いありません。それでもハッタリが利けばそれで良いと割り切るならアリだと思います。
あくまで私個人の感想ですけど、本物のバルセロナチェアってそんなに座り心地の良いものではないんですよね。確かに最高級の牛革で手触りが良いですし、ウレタンも良いものを使っていると思います。けれどもやはり座り心地よりもデザイン性を重視したものだと思うのです。
もちろん、本物のバルセロナチェアが買えればそれが一番良いんですけどね(苦笑)ハッタリでもそれっぽく家具を揃えたい人にはジェネリック・バルセロナチェアは最適なのではないかと思います。
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