アキュラホームで建てた収納マンの家にはハイドアが多用されています。と言うか、アキュラホームではハイドアが標準で、特に指定しない限りはすべてハイドアになるのです。
ハイドアとはドアの上に垂れ壁がなく、床から天井まである背の高いドアのことです。片開き戸だけでなく引き戸や折れ戸もあります。
ハイドアの最大のメリットはインテリア性が高いことです。ドア自体が立派に見えるだけでなく、部屋が開放的に見えるなどと言われることが多いです。
一方のデメリットは一般的に価格が高いこと。しかし、アキュラホームに関してはオリジナルのものを採用しているのでめちゃぐちゃ安いのです。
じゃあ、ハイドアは価格の面さえクリアできればメリットばかりなのかと言うと、そうでもないと私は思います。今回はハイドアのメリットをおさらいした上で、あまり語られることのないハイドアのデメリットについて説明したいと思います。
※アキュラホームの標準仕様等については2019年6月の契約時点@大阪支店
ハイドアのメリット
インテリア性が高い(高級感がある)
ハイドアは天井いっぱいまで高さがあるので、存在感や威圧感があります。加えて、垂れ壁がないので余計な線がなく、シンプルで美しい印象を与えてくれます。
もっとも、我が家では敢えてドアの存在感が出ないように壁と同じホワイト系にしています。また、表面はプリント紙なのでそんなに高級感はないです(笑)
開放感がある
ハイドアにすると、ドアを開けたときに垂れ壁によって視界が遮られることがないので、開放感があります。1枚の片開き戸や引き戸はもちろんのこと、2枚以上の間仕切り戸ならなおさらです(上写真)。
天井が高く見える
ハイドアは天井を高く見せるという効果もあります。これは論より証拠、上のパース図を比較してもらえば明らかです。ドアの色にも影響されますが、縦の線が強調されることによって、高さが感じられるようになります。
一方で、ハイドアを設けることで部屋が広く見えるとも言われますが、これは理屈から言うとおかしいです。背が高い人ほど細く見えるのと同様、縦の線が強調されれば横方向は狭く感じられて当然でしょう。
家具や家電などの搬出入がしやすい
ハイドアは家具や家電などの搬出入がしやすいというメリットもあります。実際、我が家ではソファや冷蔵庫の搬入が楽でした。一般的なドアだったら、それぞれ斜めにしないと入らなかったと思います。
でも、ソファを搬入するときに家具屋も私もドアの外し方が分からなくて困りました(苦笑)搬入前によく確認しておくべきでしたね。
クローゼットの最上段に手が届きやすい
我が家はクローゼットの折れ戸もハイドアです。ぶっちゃけ部屋の出入口がハイドアかどうかなんて私にとってはどっちでも良い話ですが、クローゼットがハイドアだとすごく良いです。
クローゼットの折れ戸がハイドアだと、垂れ壁に隠れる部分がなくて中を見渡しやすく、おまけにモノを取り出しやすいです。また、折れ戸を壁と同系色にすると、一般的な折れ戸よりも存在感を薄くできると思います。
建築コストを抑えられる
アキュラホームの説明によると、ハイドアにすることでその上に垂れ壁を作る必要がなくなるため、材料や手間を減らして建築コストを抑えることができるということです。
確かに、木枠を組んで、石膏ボードを貼って、さらにクロスまで貼る手間を考えると、結構バカにならない手間だと思います。
ハイドアのデメリット
部材のコストが上がる
一方で、ハイドアは一般的に高価です。アキュラホームで標準となっているハイドアの単価は片開き戸でたったの約4万円ですが、神谷コーポレーションのフルハイトドアだと上代で50万円以上するものもあります。
もっとも、一般家庭に使う標準的なハイドアの相場は10万円前後だと思います。
部屋が狭く見える
ハイドアにすると部屋が広く感じられるなんて言われることも多いですが、私はまったく逆だと考えています。ハイドアにすることで天井が高く感じられるなら、相対的に横方向(=床)は狭く感じられなければ理屈に合わないからです。
実際、家具を搬入する前は「本当に置けるんだろうか?」と不安になりました。プロのインテリアコーディネーターがちゃんと採寸してもそう感じるんですから、やっぱり狭く感じるのです。家具や家電を設えて初めて、視覚がマトモになりました。
反ると開閉が重くなったりちゃんと閉まらない
ハイドアにして困ったことのひとつが、反りやすいということです。個室の引き戸だったら問題なかったのでしょうけど、洗面脱衣場は湿度が高いうえに、洗面台から跳ねた水が掛からないようにポケット引き戸(引き込み戸)にしたため、戸が反ると摩擦で開閉が重くなってしまいます。
これはローコストハウスメーカーだからという問題ではありません。長尺の木製のものはドアであれテーブルであれ、どうやったって反るときは反るんです(苦笑)
片開き戸の場合は開閉が重い
我が家はハイドアと言ってもほとんど片引き戸です。唯一、LDKだけハイドアの片開き戸なのですが、これを閉めるとき、かなり重いんです。ドアそのものは軽いものの、空気抵抗が大きいからです。
その点、ハイドアでも上写真の可動欄間(かどうらんま)付き片開き戸は開閉が楽です。可動式の欄間を閉じれば、継ぎ目は生じるものの見た目には特に影響ありません。それでいて、通気を確保しやすく、ドアの開閉もとても軽いです。
音や光が漏れやすい?
特に枠なしのハイドアは音や光が漏れやすいと言われることがあります。一応、我が家は枠ありのハイドアですが、音も光も漏れます。もっとちゃんとした枠だったら音も光も漏れないのかもしれませんが。
ただ、我が家では子供部屋の照明が点いているかどうかを確認するために、すき間から光が漏れたほうが便利だと感じます。また、所詮は木造ですから、防音性能には最初から期待していません。
色の選択を間違えると圧迫感が強すぎることも
親世帯のコーディネートをしているときに、母が間仕切り戸も他の建具と同じナチュラル色で統一すると言いました。しかし、それをやってしまうと圧迫感がスゴイです。
アクセントにしたい壁面なら存在感を出したほうが良いとは思いますが、そうでない場合は壁と同系色にするのが無難でしょう。また、プライベートルームのドアやクローゼットの折れ戸など他人に見せるべきではないところは、目立たないようにしたほうが良いのではないかと私は思います。
吊戸棚などと干渉する可能性がある
吊戸棚などを設ける場合はハイドアに干渉することがあります。もっとも、吊戸棚は様々な取り付け方が検討できるので、そんなに大きな問題はないと思います。
トイレには適さない可能性がある
我が家はもともとすべて標準のハイドアの予定でしたが、トイレだけは約2m高の片引き戸になりました。その理由は、戸を交換する必要が生じたときに、ハイドアだと先に便器を撤去しなければいけないからです。便器が邪魔になって、外した戸を傾けてトイレから搬出できないのですね。
戸を交換する予定はないですし、便器さえ先に外せばハイドアでも問題ありません。でも、もしその必要が生じたときは住人も大工も面倒です。それで、トイレだけはハイドアにしなかったというわけです。
なお、片開き戸の場合は一般的には外開きですから、ハイドアでも搬出する必要性を考える必要はありません。戸を傾けて搬出する際に便器が干渉しない場合も同様です。
以上の通り、ハイドアはインテリア性が高いだけでなく、家具&家電の搬出入や、クローゼットの折れ戸に採用したときにメリットが大きいです。一方で、使いどころを間違えると圧迫感が強かったり、部屋が狭く感じてしまう可能性もあります。また、反ったり空気抵抗が大きくて、戸の開閉が重く感じられることもあります。
私としてはインテリア性という点ではとても気に入っています。壁と同じホワイト系なのでゴージャスさはないですが、圧迫感を上手く抑えられたことは成功でした。
一方で、LDKの片開き戸は空気抵抗が大きくて重く、洗面脱衣所のポケット引き込み戸は反って開閉しづらく感じるのが難点。これはもう、そういうものだと観念しています。
総じて、個人的にはハイドアは可も不可もなくという感じです。それでももう一度家を建てることになったら、やっぱりホワイト系のハイドアにするかなーと思います(笑)
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