アイリスオーヤマのウッドトップHGチェストや天馬のフィッツプラスなどのポリプロピレン製チェストは手軽で便利ですが、滑りやすい素材であるために、衣類が引出しの中で安定しないという問題があります。また、引出しの中を仕切ることができれば下着などが引出しの中でグチャグチャになりにくいはずなのですが、ポリプロピレン製チェストは仕切ることが難しいのです。
そんな悩みを解決してくれるのが、アイリスオーヤマのマルチユースチェストです。
※この記事は2015年8月11日時点の情報に基づいています(2024年6月27日一部更新)
アイリスオーヤマ・マルチユースチェスト
アイリスオーヤマの「マルチユースチェスト」はウッドトップHGチェストのような大きなポリプロピレン製チェストで、大きさの異なる引出しが付いているというのが画期的。木製の整理タンスであれば大小大きさの異なる引出しが付いていることは珍しくないのですが、樹脂製の場合は構造的に難しいのです。
マルチユースチェストがこのような画期的な構造を実現できたのは、ウッドトップHGチェスト譲りの木製天板があればこそ。木製天板に小引出しを支えるフレームが吊り下げられているから実現できたのですね。
小引出しがあると、下着の収納に便利。雑貨や文房具などを収めるのも良いでしょう。大きな一つの引出が2つに分割されることによって収納量は若干少なくなってしまいますが、細かなモノを収める場合は収納しやすくなって便利だと言えるでしょう。
デザイン的にはイマイチでも実用的でうれしい
商品写真を見ていただければお分かりの通り、小引出しのないウッドトップHGチェストに比べると、引出しの大きさが揃っていないため見た目が少し不細工です。でも、これは致し方ないですね。
多くの方が使い勝手よりもそのものの見た目の良さで収納用品を選んでしまいがちです。棚で言うと、棚板の高さが変えられるものよりも棚板の高さが揃ったものを選んでしまいがち。棚板の高さが揃っていたほうが家具そのものの見た目は良いですが、大きさの異なる様々なモノを収めるには不便で、片づけにくくなってしまいます。そして、引出しの場合で言うと、これも棚と同様で、幅や高さが揃っているほうが美しく見えます。しかし、使い勝手は言うまでもなく、引出しは大小大きさが異なるものが備わっているほうが使い勝手が良いと言えます。
収納のセオリーとして、見た目と使い勝手は必ず反比例すると言えます。扉付きの収納家具のほうが見た目はスッキリするけれども、中に収めたモノを出し入れするにはいちいち扉を開けたり閉めたりする必要があり、使い勝手が悪くなるというのも同じ理由からです。散らかっている部屋をスッキリとさせたいのであれば、見た目の良い収納家具を揃えるよりも、使い勝手の良い収納家具を揃えて、片づけやすくすることが大切です。
価格はちょっとお高め
マルチユースチェストMU-7234とサイズの似ている「ウッドトップチェストHG-725」の価格をを比較すると、前者はアイリスプラザ価格で税込16,800円から、後者は同12,800円となっています。サイズ的には後者のほうが少し大きいのですが、マルチユースチェストは引出しの数が多いうえ、生産本数が少ないからか少し割高な価格設定となっているようです。また、同じマルチユースチェストMU-7234でもホワイトとブラウンではブラウンのほうが約42%も価格が高くなっていますが、これは木目プリントのコストと生産本数の問題だと思います。
もう少しウッドトップチェストに近い手頃な価格になってくれればと思うのですが、難しいかもしれません。こんな引出しの割り方をしている樹脂製チェストは他になく、今のところ競合が見当たらないからです。
とは言え、マルチユースチェストがいくら高めの価格設定だと言っても、木製の整理タンスに比べれば手頃な価格ですし、引越しや模様替えの際に手軽に移動しやすいというメリットがあります。アイリスオーヤマの商品開発に敬意を表しつつ、安定的に販売が継続されることを祈るばかりです。
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