わたくし収納マンは、収納の問題は洋服の占めるウエイトがもっとも高いと考えています。よほど多趣味の人は除いて、家の中では洋服がもっともアイテム数が多く、しかも毎日、洗濯→干す→畳む→収納→着るという5つのサイクルで移動するからです。2人以上の世帯の場合は、さらに問題を複雑にするという側面もあります。
よって、洗濯から始まる洋服のサイクルを改善すれば、家事はかなり楽になります。しかし、現状ではその方法はまだ確立されているとは言えません。家というハードの問題もありますが、好みやライフスタイルが人によって違うというところも影響していると思います。
※この記事は2023年8月31日時点の情報に基づいています
洗濯に関する家事の不満は「干す」が最多
RoomClip×リノベるが、東京都、⼤阪府、愛知県在住で、分譲マンションを所有する25歳〜59歳の既婚男⼥499名を対象に、インターネットで「洗濯家事に関する調査」をしました。そこで洗濯に関わる家事をする工程のどこに不満があるかと問うたところ、上表のような結果となりました。もっとも不満があるのは「干す」ことで、「しまう」、「畳む」がそれに続きます。
いずれの項目も、不満理由の1位は「専⽤のスペースがない(狭い)」 ことが挙げられています。分譲マンションならベランダくらいあるだろうと思いますが、十分ではなかったり、部屋干しのスペースがないということが多いのかもしれません。
また、「しまう」場所が足りない、「畳む」ための専用のスペースがないということも、最大の不満となっています。
ランドリールームがあれば便利という人多数
そういった不満の解決方法のひとつとして、「ランドリールーム」を設けることが提案されています。ランドリールームとは洗濯のための専⽤のスペースです。洗濯機や乾燥機のほか、たたみ作業⽤のカウンター、汚れ物を洗う洗⾯台、室内⽤物⼲し、⾐類収納などで構成され、洗濯に係る作業が1ヶ所で完結する場所を指します。
これはRoomClip×リノベるが一方的に提案しているのではなく、実際にRoomClip上で2023年8⽉のランドリールームの検索⽔準は2017年同⽉⽐で約8倍となっているそうです。
それを受けて今回の調査で「ランドリールームが自宅にあったら便利だと思いますか?」と問うたところ、実に6割以上の人が「そう思う」と回答しています。
ランドリールームは欲しいけど難しいのが現実…
しかしながら、一般的に狭いことが多い洗面脱衣所に、洗濯物を干したり、そこで畳むスペースを増やすというのは簡単なことではありません。現実を見据えると、「広さ的に難しい」、「間取り的に難しい」と考える方が圧倒的に多くなっています。
一方で、「洗濯家事を一室で完結できる必要はなく、動線がスムーズであればそれでいい」と考える人も一定数います。実は私も同様に考えています。
一昔前に「家事室」を設ける間取りが流行りましたが、部屋に閉じ籠って洗濯物を畳んだりアイロン掛けをする必要はないと思うのです。また、洋服を収納するのはクローゼットなどであることが一般的なので、そこも含めた動線さえ整っていれば毎日スムーズに一連の家事をできるはずです。
我が家の洗面脱衣所
我が家の洗面脱衣所は3畳半ほどありますが、ここでは洗濯物を干したり畳むことはありません。ただ、柔軟剤などを数ヶ月分ストックするので、収納スペースは十分確保しています。
ちなみに、洗濯機の上に「Echo Show 8」を置いていて、これで天気をチェックしたり、Bluetooth防水スピーカーと連携してお風呂で音楽を聴いたりしています。
なお、照明(アイリスオーヤマ・SCL-75DMS-LGP)はセンサーで自動で点灯&消灯します。洗濯カゴを抱えたままスイッチを押す必要はありません。
我が家は洗濯物をリビングで畳む
洗濯機から取り出した洗濯物はベランダに干します。雨天時はリビング横のドライルームに干します。よって、基本的な動線は天気に関わらず同じです。
取り入れた洗濯物はリビングで畳みます。アイロン掛けもここでします。テレビを観ながら、家族とコミュニケーションを取りながら、畳むわけです。ランドリールームに籠って洗濯物を畳むのは寂しいように思います。
リビングに面したWCLに収納
リビングで畳んだ洋服は隣のウォークインクローゼットに収納します。各部屋にクローゼットは設けていないので、配達する必要がありません。
干す際はワゴンが活躍
洗濯物を洗面脱衣所からベランダのほうに運ぶ際は、JEJアステージの「リセ テーブルワゴン」を使っています。これなら重い洗濯カゴを抱える必要がなく、しかも物干し竿に干すときにいちいち屈む必要がありません。
ワゴンのバスケットには洗濯ばさみなど一式が入っています。ワゴン自体もとても軽く、使い勝手が良いです。
以上の通り、我が家では敢えてランドリールームは設けず、動線がスムーズになることを第一に間取りを考えています。
確かに一般的に「干す」際の不満が多いのは事実ですが、「畳む」「しまう」も同水準の不満があるわけです。それらもすべて同じ部屋で済ますとなると間取りの設計はかなり難しくなりますから、無理にランドリールームを設けることは考えずに動線で解決するほうが合理的ではないかと思います。
先にも少し触れた通り、一昔前に流行った家事室は最近では見かけなくなっています。ランドリールームに昇華した可能性は否めないものの、個人的にはちょっと違うんじゃないかと考えています。ランドリールームを否定するわけではありませんが、流行に乗るのではなく、自分の好みやライフスタイルに合わせて改善策を検討するのが良いのではないでしょうか。
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