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ニトリが32期連続増収増益達成!躍進の秘訣は回転率より粗利率にあり

前回、無印良品の決算の確認作業をしていて、ニトリも決算発表していたことに気づきました。ニトリの2019年2月期決算は売上が6,081億円、経常利益が1,030億円で、なんと32期連続で増収増益を達成してしまいました。

ほかの家具店にとっては、まさに飛ぶニトリに落とされる勢いです。海外展開に少々てこずっている以外にはほとんどケチのつけようがありません。

ほかの家具販売店がどんどん淘汰され、ホームセンターも売上が微減傾向となる中、どうしてニトリだけがこんなに元気なのでしょう?今回はそのあたりを元家具メーカー勤務の収納マンが解説してみたいと思います。

 

この20年で店舗数と売上が約12倍に

ニトリ・店舗数と売上の推移

現在は店舗数が576店、売上が6,081億円を誇るニトリですが(いずれも海外含む)、今から20年ほど前に私が家具メーカーに勤めていた当時はまだ世間にほとんど認知されていませんでした。私の担当エリアで言うと、小田原店は商業施設内にあって割りと賑わいがあった一方、秦野店は廃墟のようにガラガラでした。

他方で、横浜市の港北ニュータウン店のオープンの際は黒船が来襲するかのように業界が震撼したものです。また、家具の大正堂がニトリ対策として雑貨の取扱いを開始し、横須賀店を手始めにルームズ大正堂にリニューアルし始めたのもこの頃です。

ちなみに、ニトリの本州第1号店は1993年に茨城県ひたちなか市にオープンした勝田店。関東進出から7年で50店舗を達成したことで認知度を高め、そこから20年ほどで店舗数も売上も約12倍に飛躍的に成長したと言えるでしょう。



驚異の粗利益率54.5%

ニトリのスゴイところは多々ありますが、そのひとつに驚異的な粗利益率(売上総利益率)が挙げられます。なんと粗利益率が54.5%もあるというのです。

60円で仕入れた商品を100円で売ったら利益は40円。実際には店舗コストや人件費など諸々経費が掛かるのでそのすべてが手元に残るわけではありませんが、このように販売価格から仕入れ原価を引いたのが粗利益で、その率を示したのが粗利益率です。先の例で言えば40%。一般的に、この値は高ければ高いほど企業にとって理想的と言えます。

以前に某経済誌で有名な経営コンサルタントが、ニトリの粗利益率をIDC大塚家具と比較して同じくらいだから(※1)、その点では大差ないなどとおバカなことを言っていました。これはとんでもない事実誤認です。IDC大塚家具の売上の大半は配送コストを伴いますが、逆にニトリは持ち帰りができる小物が売上の多くを占めると考えられます。

一般的に、粗利率は食品スーパーで20~30%、ホームセンターで30~40%、家具販売店で25~50%程度です。基本的に買い回りの頻度が高くなるほど粗利率は低くなると言えます(※2)。

ニトリは取扱い品目で見るとホームセンターに近いわけですが、粗利率は家具販売店よりも良いわけです。ましてや平均値で、しかも低価格帯でこの率を叩き出せるわけですから、驚異的と言えます。

※1 直近のIDC大塚家具の粗利率は44.3%です。

※2 家具業界はちょっと特殊で、ヨーロッパ直輸入の家具は粗利率が高く、広告の品と国産高級家具メーカーは粗利率が低いというのが一般的です。つまり、集客力のある商品は粗利率が低く、そうでない家具は粗利率が高いとも言えます。

 

商品回転率は5.3回

粗利益率以外でよく注目されるのはニトリの商品回転率です。商品回転率は「売上÷在庫金額」で割り出されます。経営コンサルタントの多くは在庫は悪と言いますが、大きな店舗を構えて大量の商品を並べなければ売上は作れません。しかし、少ない在庫で多くの売上を作ることができれば理想的なこともまた事実で、ニトリはそれを実にうまく実現しているのです。

ニトリの商品回転率は5.3回。ピンと来ないと思いますが、一般的にホームセンターが3.4回転であることを考えると1.5倍以上も効率が良いと言えます。

ちなみに、在庫一掃セールで在庫を例年になく多く捌いたIDC大塚家具は3.4回です。家具&ホームセンターのナフコは4.0回。ただ、島忠は家賃収入を除いても7.2回もあるんですね。

島忠も家具&ホームセンター業態ですが、ナフコと違ってほぼ全店で家具を扱っています。実は家具って在庫金額で見ると回転率が良くて、大手国産メーカーの高級家具でも年間10回転くらいすることは珍しくありません。カタログを見て取り寄せということも少なくないですし、メーカーのショールームで商談がまとまることもあります。こういった事実をほとんどの経営コンサルタントは知らないからデタラメな話になるんですね。

ともあれ、島忠のケースを見れば、ニトリが9回転を目標にしているというのも無理はないように思います。

 

経済誌などではニトリが家具販売店としては並みの粗利率でありながら高回転率で売上を伸ばしていると実しやかに語られます。しかし、実態を見れば、ニトリは家具販売店よりもホームセンターに近い業態です。回転率云々よりも、ニトリはホームセンターよりも粗利率が良いと言ったほうが正確でしょう。

ちなみに、ニトリが高い粗利率を確保できるのは、製造から小売までを一気通貫でおこなうSPA(製造小売)モデルだからという説明も、ちょっと微妙です。確かに家具は自社で作っているものも多いですが、雑貨は仕入れ商品が多いです。この点では家電量販店同様に、強力なバイイングパワーによって原価スレスレの金額でメーカーから仕入れているからと言ったほうが正確でしょうね。

ともあれ、ニトリの成長力は本当に驚異的。これで海外展開も順調に進めば安泰ですねー。

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コメント

  1. グリシーヌ より:

    先週の日曜日ニトリで、5本で400円ぐらいの100均一より安い天然木の箸を買いました。その箸が、漂白なのか、塗料の匂いなのか、びっくりするぐらい臭くて、とても使えるしろものではありませんでした。洗ったら、よりひどくなって、びっくり!
    翌日、コールセンターに電話したら、体調など問題なかったか聞かれ、返金しますということでした。お近くのニトリに持ってきてほしいとのことでしたが、わざわざ行くのは面倒なので、着払いにしてほしいと言ったら、ピックアップしますということで、翌日、とりに来ましたよ。

    それにしてもの化学薬品臭の箸には、びっくり仰天でしたが、電話対応も非常にお上手で、よくできてました。ココらへんはすごいですね!

    https://www.nitori-net.jp/store/ja/ec/Tableware/TablewareCutlery/TablewareChopsticks/8915513s?ptr=item

    レビューに化学薬品の臭いって書いてありますね(^^;

    • 収納マン より:

      グリシーヌさま

      へー、そんなことがあったのですねー。
      まったく、ひどい商品を売るものです。

      でも一方で、クレーム対応が丁寧なのは良かったですね!
      そのあたりが某北欧風B級家具店と違うところでしょうか^^;