「洋服って普通はどれくらい持っているものなの?」と思われる方は少なくありません。
たとえば食器棚の場合は、よそのお宅にお邪魔したときに、どれくらいの大きさのものが何本あるかなど見る機会がありますが、洋服はプライベートなエリアに置かれており、しかも分散して収納されていることが多いため、実態が掴みづらいからでしょう。
片づいていない場合は、本人すら気づいていないことだってあります。私がお邪魔させていただくお宅では、「ああ!こんなところにもあった!」なんてことがしょっちゅうあります。
そのような状況の中で片づけを進めるのは難しいことです。ですから押入れやクローゼットの中から一つ残さずモノを出すことから始め、地道にひとつずつモノの要不要を見極め、精査したうえで必要な収納家具や収納グッズを揃える必要があります。
ただ、地道な片づけのプロセスの先にゴールがある人がいる一方で、世の中の半分の人はゴールが見えていないと動けないという現実もあります。完成形がイメージできないと、とりあえず片づけることができないということですね。
そこで今回は、私の経験から、洋服の量の目安と収納用品を置き換えた場合の換算表をまとめてみました。
洋服の量の目安
これまで多くのお宅にお邪魔して収納のコーディネートをしてきた私の経験から言うと、大人2人と子供2人の4人家族で幅1200×奥行450×高さ1000mm程度の大きさの整理タンスは最低限必要と言えます。上の写真がその大きさの整理タンスですね。
ハッキリ言って、これだけで家族4人分の洋服が収まる家というのは非常に少ないです。ザッと、全体の1割にも満たないと言って良いのではないでしょうか。10世帯に1世帯未満ということですね。
ただ、表に見えているのがこれくらいの整理タンス1竿というのはよくある話です。逆に言うと、クローゼットや押入れに洋服が掛けてある、またはオフシーズンの洋服が衣装ケースに収められているということになります。
また、いわゆるホワイトカラーの場合は、普段着でもパリッとした洋服が多く、ほとんどがクローゼットに掛けられており、整理タンスには下着だけということが多くなります。一方でブルーカラーの場合は、礼服以外に掛ける洋服がほとんどなく、引出式衣装ケースやオープンラックにほとんどの洋服を収めているということが多いです。ライフスタイルによっても引出しの多寡は異なるわけですね。
ちなみに、掛けて収納する洋服と畳んで収納する洋服をトータルで見た場合は、女性でクローゼットの幅にして180cm、男性で90~120cm程度が目安となります。いずれも、洋服を掛けた下に引出し式衣装ケースを置くというかたちですね。これはすべての人の洋服の量の平均として導き出したというよりは、一般庶民が住む家の広さから考えるとこれくらいしか持てないという現実的なアプローチから導き出した目安です。
収納用品を置き換えた場合の換算表
ゴミ袋(45リットル) | 1袋 |
押入れ用引出式衣装ケース | 1ヶ |
クローゼット用引出式衣装ケース | 1.25ヶ |
整理タンス(幅90cm) | 1段 |
洋服がゴミ袋に詰めて「収納」されているケースというのをしばしば見かけますが、そのような場合はどんな収納家具や収納グッズがどれくらい必要なのかと戸惑ってしまうことでしょう。そんなときは、上の換算表を一つの目安にしていただければと思います。
押入れ用の引出式衣装ケースは、およそ39リットル程度の容量があります。また、45リットルのゴミ袋と言っても実際に45リットル分の洋服が入るわけではありませんから、押入れ用引出式衣装ケースと45リットルのゴミ袋はだいたい同じくらいの容量と言えます。
クローゼット用の引出式衣装ケースの容量は約34リットルですので、押入れ用の8~9割程度の容量と言えます。概ね8割方と考えた場合、ゴミ袋1袋分の洋服を収納するにはクローゼット用の引出式衣装ケースが1.25ケ必要と言えます。
また、木製の整理タンスはポリプロピレン製の引出式衣装ケースと比べると、かさの割りに収納量は少なくなりますし、仕様によっても異なりますが、ざっと幅90cmの引出し1段で押入れ用引出式衣装ケース1つと同じくらいと考えて良いと思います。整理タンスの奥行と引出式衣装ケースの幅が同じくらいと考えると分かりやすいでしょう。
以上はあくまで目安です。そういう目処を立てて片づけ始めるのは良いですが、分別作業をすることなくいきなり収納家具や収納グッズを買ってきてはいけません。
特に普段から片づけていない人は、ペース配分を間違いがちです。普段走り慣れていない人がマラソンに挑戦して、後半でバテるのと同じ現象が起こりがちなのです。
収納家具や収納グッズを買ってきて、丁寧に収めると、思ったほど入らないということが分かります。ギュウギュウに押し込んでいたのを、出し入れしやすいようにゆとりを持って収納するからです。また、思ったよりも要らない洋服が多かった、思いもかけない場所から洋服が出てきた、なんてこともあります。
片づけるプロセスの先にゴールがあるか、まず目標設定をしっかりしてから片づけ始めるか、方法論としては2つのプロセスがありますが、やるべきことの最初は中身を全部出して、ひとつひとつ精査するということには変わりありません。
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