フィッツケースでお馴染みの天馬から、「フェミーネ・木目チェスト」が発売されました。パッと見た感じは天然木でできているように見えますが、引出しの前板に木目調のプリントを施したプラスチック製のチェストなのです。
こういう新しい取り組みはいかにも天馬らしいと思うのですが、実は木目調のプラチェストを発売するのは天馬が初めてではありません。
アイリスオーヤマ・マルチユースチェスト木目ブラウン
ウッドトップチェストなどでもお馴染みのアイリスオーヤマは、2015年に「マルチユースチェストMU-7244木目ブラウン」などを発売しています。上写真では分かりにくいですが、確かに引出しの前板は木目調になっています。
側面などは木目調ではありませんが、全体が濃い茶色であるため、パッと見た感じは違和感をあまり感じさせません。
山善・リビングチェスト5段スリム幅34
山善も木目調のプラスチック製チェストを扱っています。これはサンカ(サンイデア)の「squ+ROOM’S(スキュープラス・ルームズ)」というチェストの山善オリジナルカラーという位置付けとなります。
前述の天馬やアイリスオーヤマの木目調プラチェストよりも木目がハッキリと分かる色合いで、特に木目ブラウン色は遠目には木製チェストにしか見えないのではないでしょうか。
手間とコストの掛かる水転写加工で実現
アイリスオーヤマとサンカの場合はどのような技術を用いてプラスチックに木目調のプリントを施しているのかは分かりませんが、天馬の場合は水転写加工で木目をプリントしているようです。
水転写加工とは、簡単に言うと、水面に浮かべたプリントシートの上に、この場合は引出しの前板を乗せて柄を転写する方法のことです。当然、プラスチックの成形とは別の工程となるため、手間とコストが掛かります。
天馬の場合、ハイエンドモデルである「フィッツプラス」ではなくフェミーネにこの加工を用いたのは、価格面での懸念があったのかもしれません。実際、アイリスオーヤマのマルチユースチェストの場合は、通常のホワイトに比べると木目ブラウンは5割増しの価格です。山善の場合もやはり、木目調とそれ以外では約75%もの価格差となっています。
素人目には、引出しの前板だけでなく側面などチェスト全体が木目であればもっと良いのにと思うところですが、それをやっちゃうと木製チェストよりも高くなってしまいそうです。
個人的には、特に山善の木目調スリムチェストは素晴らしい出来栄えだと思うのですが、価格差が2倍近くもあると思うと、さすがに躊躇してしまいます(苦笑)でも、木製チェストはこの値段で買えませんから、そう考えると十分アリなんですよねー。IKEAの殺人チェストを買うくらいなら、こちらのほうが断然良いです。
今後、台数が捌けるようになれば、コストが下がって手頃な価格になっていくのでしょうか。もしくは逆に、需給が整わずに市場から消えていってしまうのでしょうか。
私としてはもちろん木目調のプラチェストが普及するとともに、より本物の天然木に近い質感のプラチェストが手頃な価格で手に入ることを願っています。
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