本をたくさん持っている人には必須の収納家具である本棚。しかしある程度ちゃんとした、つまり本を目一杯詰め込んでも大丈夫な本棚となると、最低でも5万円は下りません(木製の場合)。一方で組立式の本棚の場合は残念ながらあまり耐久性は期待できませんが、そこそこの量を、手の届きやすい価格で手に入れられるというのが魅力です。
そんんわけで今回は、IKEAのBILLY(ビリー)と、ホームセンターや家具量販店でも扱っていることの多い大洋のエースラックを徹底的に比較してみたいと思います。
ではまずはそれぞれを簡単に紹介しましょう。
※2023/05/28一部更新
ビリー vs エースラック
イケア・BILLY(ビリー)
イケアのBILLY(ビリー)は、イケアの本棚の中でもっともメジャーな本棚のひとつです。イケアの他の収納家具の多くがそうであるように表面材に突板(つきいた=木材を薄くスライスして貼ったもの)を使用しており、価格の割りに安っぽくありません(表面が樹脂フィルム貼りのタイプもあり)。
ほか、扉などのオプションパーツやサイズバリエーションも豊富でカスタマイズを楽しむことができます。
大洋・エースラック
大洋のエースラックは、たぶん日本でもっとも売れたベスト&ロングセラーの本棚です。国産品で、ホルムアルデヒド対策がF☆☆☆☆仕様のため安心して使うことができます。また、固定棚を持たないフルオープン構造のため、上から下まで棚板の位置を自由に設定できるので、スペースの無駄なく収納可能。
価格は高くなりますが幅1cm単位でサイズオーダーも可能で、高さや奥行、カラーのバリエーションも豊富、オプション加工もすることが可能です。見た目は表面材がオーソドックスな木目調のプリント紙のため、ちょっと安っぽく見えます。
耐久性
やはり本棚である以上、一番気になるのは耐久性です。スペックで見ると、ビリーの棚板1枚あたりの最大荷重は30kg、エースラックもタフ棚仕様の場合は30kgです。しかし実際の使用状況を見比べると、ビリーには数字が示すほどの耐久性はないと思われます。
ビリーの棚板に30kg程度の本を乗せると、棚板はたわみ、側板は左右に広がってしまって落ちてしまいます。また背板も抜けてしまいます。同様のことはエースラックの通常仕様(10kg)でも起こりますが、タフ棚仕様(30kg)ではそこまでひどいことにはなりません。このあたりはやはり、国産メーカーのほうが厳しい基準を持っていると思います。
価格・インテリア性
ビリーの幅800×奥行280×高さ2020mmサイズの突板モデルの場合、税込8,999円(樹脂フィルム張りのホワイトは同6,999円9,990円)。対してエースラックは幅702×奥行310×高さ1780mmのものが楽天市場で税込13,810円21,980円から(※価格は2023/05/28更新)。
かたや突板、かたやプリント紙ながら国産&しかも頑丈ということで、単純比較するのは難しいのですが、インテリア性を重視して比較するとビリーのほうがお得感はあるなぁと個人的には思います。もっとも、前述の通り、ビリーの場合は本を目いっぱい収めると壊れてしまう可能性が高いので、飾り棚的にゆとりをもった収納の仕方を心掛ける必要があります。
機能性
ビリーは一般的な本棚と同じように腰高の位置に固定棚があります。そのため下から順に大きな本を収めていくと、腰高のあたりに来たときに「あ~!あと1cmあれば同じサイズの本が入るのに!」ということが起こり得ます。しかし、エースラックの場合は固定棚がない構造(フリーストップ棚受=上写真)なので、そんなことはありません。スペースに無駄なく、効率良く本を収めることができるのです。
バリエーション・拡張性
ビリーには各種サイズ、扉、追加棚板などの豊富なバリエーションがあります。これほど多くのバリエーションを持った本棚は他にはあまりありません。しかしエースラックは幅1cm単位でサイズオーダーできますし、奥行、高さ、上置き、カラー、扉、オプション加工など、ビリーよりもはるかに多くのバリエーションを持っています。よってバリエーションや拡張性という点ではエースラックのほうが圧倒的に有利です。
しかし残念ながらエースラックは表面材がプリント紙のため、やっぱりインテリア的にはショボイです。
以上、4つの項目でイケアのビリーと大洋のエースラックを比較してみました。あくまで個人的な価値観で言うと、リビングなど見た目の気になるところに置くならビリーを使いたいです。ただしやっぱりイケアは使い捨て家具。純粋な本棚としての耐久性は期待できません。見た目も大事、耐久性も大事ということであれば、やっぱり同サイズで5万円以上はする国産メーカーのちゃんとした完成品の本棚を買うべきでしょう。
一方で、個室などあまり見た目の気にならないところで使用するならば、エースラックという選択肢はアリでしょう。それでも仕事や趣味でかなり多くの本を所有している人には心許ない耐久性だと思います。ちゃんとした本棚を購入するか、あくまでコストパフォーマンス重視ということであればスチール本棚を購入するのが無難かと思います。
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