「背の高い家具は圧迫感が強いからインテリア的にはダメ」なんて迷信を信じている人、もういないですよね!?確かに背が低い家具を置くよりも高い家具を置くほうが圧迫感は強くなります。しかしそれは理想論に過ぎません。なぜなら家具はモノを収めるために置いているわけですから、モノの量はそのままに家具の背丈だけ低くすることはできないからです。また、圧迫感は床がどれだけ見えているかであったり、家具の色やツヤによっても変わります。
今回は、背の高い家具のレイアウトとカラーコーディネートの正しい方法について、分かりやすく説明してみたいと思います。
まずは低めのシェルフを置いてみましょう
まずは低めのシェルフを置いてみましょう。一応、サイズは幅1600×奥行450×高さ1200mmです。
代わりにナチュラル色の背の高い家具を置いてみます
今度は、先ほどのシェルフの代わりに、背の高い家具を置いてみます(サイズは幅750×奥行300×高さ2000mm)。インテリアコーディネートの基本に従って、建具やフローリングに近いナチュラル色を選択します。そうすると、先ほどよりは床が広く見えて広々する一方、やっぱり背が高いので圧迫感があります。
家具を壁と同じホワイト系にしてみます
今度は、先ほどのナチュラル色の棚を、壁と同じホワイト系のカラーにしてみます。そうすると壁の色に溶け込んでしまって、圧迫感をほとんど感じません。一番最初の背の低いシェルフを置いた場合と比べてみてください。床は広々、しかも背が高い家具なのに圧迫感がありません!柱に同化してしまっているように見えるということがポイントです。
横にTVボードを置いてみましょう
ホワイト系の背の高い棚の横に、TVボードを置いてみましょう。ここはホワイト系ではなく、敢えてナチュラル系のTVボードを置いてみます。
ナチュラル色の棚と並べた場合と比較してみましょう
もう一度、背の高い棚をナチュラル色に変えてみると・・・なんということでしょう!「家具の色を統一させる」というのはインテリアの世界では常識と言われることですが、全部ナチュラル色に統一したほうが圧迫感が強くなるのです。しかも残念なことに、テレビも相対的に小さく見えてしまいます。
まとめ
- 「背の高い家具を置くと圧迫感が出る」というのはウソ
- 「家具の色を統一させる」というインテリアの常識はウソ
「ウソ」というのはちょっと言いすぎでしょうか。インテリアのセオリーが間違っているとは言いません。ただ、インテリアのセオリーなんていうのはとてもたくさんあるんですけど、それに対して世間で認知されているものがあまりにも少なすぎて、それが過剰に信じ込まれてしまっているのです。
基本的にインテリアのセオリーというものはケースバイケースで採用されるべきものです。あまりセオリーを鵜呑みにしないようにするのが良いでしょう。
- 背の高い家具を置いてできるだけ床を広く見せる
- 背の高い家具は壁の色に合わせて同化させる
- 背の高い家具は柱や壁に寄せて置く
- 背の高い家具は天井や梁に届く高さのものを選ぶ
- 見せたい家具はインテリアに合った色のものを選ぶ
部屋を広く見せるには背の高い家具を置くのが有効です。背が低い家具を置くと、同じ量のモノを収めるには倍の床面積が必要になり、床の見えている面積を狭くしてしまいます。
かと言って、目立つ色の背の高い家具を置いてしまうと圧迫感が出るので、壁と同じ色(通常はホワイト系)にして、目立たないようにしましょう。
あと、背の高い家具は部屋の端に置くのがベターです。真ん中に置くと、ほかの家具とのコーディネートが難しくなります。目立たないように端に置くのが良いのです。
また、背の高い家具を置くなら、天井または梁いっぱいの高さにしてしまいましょう。そのほうがより壁と一体になり、目立たなくすることができます。これは、つっぱり式やフィラーを用いた壁面収納家具がオススメである理由と同様です。
全部の家具を壁に同化させてしまうと無機質になり過ぎるので、普通は、メインとなるTVボードなどの見せたい家具は目立つ色にすることが望ましいと言えます。建具やフローリングに近い色が無難ですが、それよりも明るい色や逆に暗い色でも良いでしょう。このあたりは、ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーとのバランスで考えるのが良いと思います。
以上のことに気を付けて、背の高い家具と低い家具をうまく組み合わせてメリハリのある収納を心掛けると良いでしょう。
コメント