先日、ニトリとIKEAとシマホで、予算5万円で買えるダイニングセットの比較をしました。老舗の家具販売店のベテラン店員なら鼻で笑うような価格帯ですが、ニトリには庶民にとって必要十分な品質のダイニングセットが豊富に揃っていることを改めて痛感しました。
ともあれ、先日の比較の際はセット品だけに注目していたんですけど、さすが「おねだん以上」と唸らずにはいられないダイニングチェアがあったんです!
※価格および仕様はすべて2018年5月20日現在
ニトリ・ダイニングチェア「ライト3K」
ニトリのダイニングチェア「ライト3K」は、税込価格9,990円で単品販売されている食卓椅子です。ですが、とても1万円を切る価格の椅子とは思えないほど高スペックなのです。
約3.17kgで軽い!
ダイニングチェアは良い材質を使って頑丈に作り込むほど重くなります。しかし、重いと椅子を引いたり掃除のときに移動するのが大変です。そのため、個人的にはやはり軽さも重要だと考えています。
5kgを超えるダイニングチェアも少なくない中、ライト3Kはたったの約3.17kg。その秘訣はフレームが細いだけでなく、座面に合板ではなくウェービングベルトを使っているところにあります。
実物を確認する限り、ウェービングベルトじゃなくてメッシュシート(布バネ)の間違いではないかと思うんですけど、それはともかく、軽いだけでなく座り心地が良いのも特徴です。
幅39cmでコンパクト!
ダイニングチェアに限らず、椅子は幅が広ければ広いほどゆったり座れます。しかし、狭い日本の住宅では必ずしもゆったり座れる椅子が良いとは言えません。
その点、ニトリのライト3Kは幅39cmでコンパクト。せっかく布バネを使ってもこの幅では座り心地の良さを十分に発揮できませんが、省スペースで使えるのは狭いダイニングでも助かるというものです。
アルダー材で木目がキレイ
1万円くらいで買えるダイニングチェアと言えば、一般的にはラバーウッド(ゴムの木)を使うというのが定番です。木目はキレイではないものの、ローコストで「天然木」と堂々と宣伝できるからです。
一方のライト3Kはアルダーを使っています。アルダーはラバーウッドに比べて木目が美しく、それなりの硬さも確保できます。
座面カバーの交換が可能
ライト3Kは木部3色×座面4色で計12のカラーバリエーションが用意されています。さらに、座面カバーの交換が可能となっており、税込1,499円で販売されています。
洗い替えとして買っておいても良いですし、座面カバーを交換することで模様替えをすることもできます。1万円以下の椅子でここまでできるというのは、至れり尽くせりですね。
テーブルは「アルナス」をセットすればOK
ライト3Kには専用のダイニングテーブルがありませんが、同じアルダー材を使った「アルナス」シリーズのテーブルをセットできます。アルナスのテーブルは幅80~180cmまで揃っているので、設置スペースに合わせてチョイスできます。
ただし、アルナスのダイニングテーブルはホワイトウォッシュ、ミドルブラウン、ライトブラウンの3色です。ライト3Kはダークブラウン、ミドルブラウン、ライトブラウンの3色で、色合いが異なります。
なお、上写真に写っているアルナス・ダイニングチェアも座面が布バネ仕様となっていますが、ライト3Kよりも幅が広くて重量もあります。
他社製の布ばねチェアとの比較
ここまでニトリのライト3Kの優れている点を述べてきたわけですが、私の説明ではピンと来ない人も多いでしょう。そこで、他社製の布ばねチェアと比較してみたいと思います。
朝日木材加工・ボスコプラス・ネスタ
朝日木材加工の「ボスコプラス・ネスタ」のダイニングチェアはホワイトオークを使っているにもかかわらず、ベトナム製で税込10,800円という低価格です。座面にはウェービングテープを使っており、幅は46cmとゆったり目なので、座り心地も柔らかいことでしょう。
ぶっちゃけ、コスパで言えばニトリのライト3Kよりもこちらのネスタのほうが優れていると思います。それでも、ライト3Kは軽くてコンパクトでカバーリング仕様というメリットもあるので、一概にネスタのほうが優れているとまでは言えません。
コイズミファニテック・セレクトビーチ
コイズミファニテックの「セレクトビーチ」には数種類のダイニングチェアがあり、こちらは重量が2.9kgでニトリのライト3Kよりも軽いです。ビーチ材を使っているので質感も良く、ライト3Kよりも広めの幅45cmの座面かつ布バネ使用で座り心地も良いと感じます。
価格は税込15,120円でニトリのライト3Kよりも高価ですが、ニトリよりも軽いという特徴を踏まえれば決して高いとは言えないでしょう(と言うか、普通に安いです)。なお、別売の座面カバーも用意されています。
以上、比較した通り、決してニトリのライト3Kは他社製に比べてズバ抜けて安いというわけではありません。こんなにコンパクトじゃあ布バネの良さが活かせないじゃないかという意見もあるでしょう。
それでも、「軽い、安い、コンパクト」という3拍子を揃えたダイニングチェアはなかなか他にはないというのも事実です。日本の住宅事情を考えればニーズが多いところだと思いますので、選択肢のひとつとして検討してみても良いのではないでしょうか。
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