一般的に昔の家には木の柱があって、そこに壁掛け時計やカレンダーを吊るしたり、長押(なげし)に神棚などを取り付けたものでした。しかし現在の住宅のほとんどは木の柱が表面に見えておらず、和室でも付長押(つけなげし)が付いていないことが多いです。
現在の住宅の多くは壁が石膏ボードでできており、木ネジや釘ではフックを固定することができません。木造住宅の場合は下地のある場所を探して長い木ネジを使えばフックを取り付けできますが、思ったような場所に下地がないことが多いですし、やはり痕が残るのが厄介です。
そんなときは石膏ボード壁用のフックを使いましょう。様々なタイプのものがあるのですが、今回は6つセレクトしてご紹介したいと思います。それぞれにメリットとデメリットがありますので、ニーズに合わせて選んでください。
※この記事は2016年2月12日時点の情報に基づいています(2024年9月1日一部更新)
ダイソー・穴跡が目立たないピンフック
石膏ボード壁用のフックは100円ショップでも購入することができます。最近は太い画鋲のようなピンが斜めに突き出た「ピンタイプ」と呼ばれるものが100円ショップの店頭で多くを占めていますが、ダイソーの「穴跡が目立たないピンフック」やスルガの「壁にピン跡が残りにくいピンフック」がオススメです。
いずれもストッパーを外してからフック上部を押すことでピンが斜めに突き刺さる構造です。一般的なピンタイプよりも軽い力で取り付けやすく、壁に密着させることができます。おまけに、抜いたあとのピン跡がほとんど分かりません。コストも従来のピンタイプと比べて割高感はなく、見た目もそれほどチープさを感じさせません。特にデメリットは感じさせず、100均のピンタイプでは最強と言える石膏ボード壁用フックだと思います。
和気産業・Jフック
もっともメジャーな石膏ボード壁用フックは、和気産業の「Jフック」のように3本の小釘で取り付けるタイプです。同様のものは大抵どこのホームセンターでも購入することができますし、100円ショップでも取り扱っています。
このタイプの石膏ボード用フックのメリットはもっとも伝統的で安心感があること。また、入手がしやすく耐荷重が数kgあることです。100円ショップでも売っているくらいですからコストパフォーマンスも決して悪くありません。一方で、デメリットは小釘を3本打つのが結構面倒なうえに多少の器用さが必要なことです。
東洋工芸・かけまくり
収納マンのイチオシは東洋工芸の「かけまくり」です。一部のホームセンターで購入可能です。
かけまくりのメリットはワンプッシュで取り付け可能なことです。耐荷重が数kgあり、ラインナップも豊富です。押ピンのように気軽に使えるので、フックだけでなくウォールシェルフの固定やポスターの貼り付けなどかなり幅広い用途に使えます。一方のデメリットはJフックに比べると高価だということでしょうか。
ちなみに、かけまくりは無印良品の「壁に付けられる家具」でも採用されていましたが、現在は別の固定具に切り替えられています。
若林製作所・壁美人
若林製作所の「壁美人」はもっとも画期的な石膏ボード壁用のフックのひとつです。他の多くはピンまたは小釘で留めるのですが、壁美人はホッチキスで壁に固定するのです。
壁美人の一番のメリットは、ピンや小釘よりもさらに細いステープルを使用するので痕がほとんど残らないこと。ラインナップも豊富です。一方のデメリットは価格が高いことと、何度もステープルを打つ必要があるので面倒なこと、無駄に大きいことです。また、取り扱っているホームセンターは少ないです。
ちなみに壁美人を使った壁面収納ラックも多数販売されていますが、いずれも高価です。
ウェルスジャパン・キズが超小さいフック
ウェルスジャパンの「キズが超小さいフック」は前述の壁美人よりも後発ということもあり、価格が手頃なのが最大のメリットです。取り付けも壁美人より簡単で、フックの先も小さいので鍵などの小物を掛けるには使い勝手が良いと思います。
同様にホッチキスを使って固定するので傷跡も小さく、デメリットも特に感じません。
清和産業・くりぴたフック壁紙用
清和産業の「くりぴたフック壁紙用」はもっとも先進的な石膏ボード壁用フックと言えます。ピンも小釘もホッチキスも使わず、貼って剥がせる接着剤で壁紙に固定するのです。
くりぴたフック壁紙用のメリットは壁にまったく痕が残らないこと。一方のデメリットは他に比べると耐荷重が小さいことと、高価であることです。しかし、2018年からダイソーでも販売が開始されており、コスパの懸念もなくなりました。
以上、6つの石膏ボード壁用フックを紹介しました。正直、以前は100均のものはダメだと思ってましたが、ダイソーやセリアで販売されているプッシュ式のピンタイプはとても良いと思います。コスパの面も含めてもっともオススメしやすいと言えます。
一方で、伝統的なJフックのような3本のピンを使うタイプはもはやメリットに欠ける感じがします。壁美人も高価すぎてウェルスジャパンのキズが超小さいフックに比べると魅力は薄くなりました。そのキズが超小さいフックも、前述のプッシュ式のピンタイプに比べると取り付けが面倒なうえに、穴もたくさん開きますし、見た目の面で安っぽさを感じます。
でも、かけまくりだけは私の中ではまだまだ別格です。価格は100均に比べると割高ですけど、金属製のフックですから耐荷重が大きいです。また、フック以外にも様々な使い方ができるので、持っていて決して損のないDIYアイテムだと思います。
ともあれ、ニーズは人ぞれぞれ。上記を参考に、最適なものを選んでいただければと思います。
コメント
以前、購入したのを探しています。どこで買ったのかわかなくてネットでなかり探して見つけれません。
何か情報教えてもらえないでしょうか?
戸高さま
はじめまして^^
写真のものはコレに近い感じですね?
ただ、3本ピンタイプでこんなに丸っこいデザインのものはもう見掛けないように思います。
でもやっぱり、デザインを揃えたいということですよね?
※勝手ながらお名前を修正させていただきました。