ロイヤル本社で聞いてみた!「AAシステム」と「SSシステム」の違い

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愛機ヤマハBrase@ロイヤル本社前

先日ご紹介したロイヤルの「AAシステム」と「SSシステム」について詳しく知りたいと思い、メーカーであるロイヤルにアポを取ったうえで取材に行って参りました。

場所は東大阪ジャンクションのすぐ近く。強風の中、片道約30kmを1時間半かけて、隣町までプラモデルを買いに行く少年の気持ちで直走りましたよ(笑)

いい大人がなんでチャリで行ったかというと、ラッシュアワーはチャリでも車でも時間がほとんど変わらないからです。エコだし、良い運動にもなります。電チャリですが、25km/h以上で走ると無駄に重いだけです(苦笑)

※この記事は2019年3月26日時点の情報に基づいています(2023年8月25日一部更新)

 

株式会社ロイヤルの本社

株式会社ロイヤル本社@東大阪市

こちらが東大阪市にある株式会社ロイヤルの本社。交通量の多い東大阪ジャンクションが目の前にあるとは思えないほど静かな一帯で、老舗感が漂います。

今回は広報のHさんにお話をうかがいました。

AAシステムとSSシステムの違い

ロイヤルAAシステムとSSシステムの違い

まず「AAシステム」と「SSシステム(シューノ19/32)」の違いについてうかがいました。

AAシステムは基本的に店舗用、SSシステムは一般住宅用となっていますが、クロムメッキのAAシステムのほうがカッコイイし、パーツのバリエーションも豊富です。おまけに、プロが使っているということで丈夫そうなイメージもあるじゃないですか。

しかし、両者の間に互換性はありません。取り付けてから「失敗した!」と思うことのないように、これらの違いはシッカリと押さえておくべきだと考えたのです。

AAシステムは超ロングセラー!

収納マン
収納マン

AAシステムって、かなり昔からあるんですよね?

Hさん
Hさん

AAシステムは1970年代から販売しており、弊社の売上の9割を占めます。また、業界シェアの6割を持っています。

収納マン
収納マン

シェア6割って言ったら、アパレルショップ2軒に1軒以上じゃないですか!気づいてなくても誰しも一度は見てますね(笑)
一方のSSシステムはまだ新しいんですよね?

Hさん
Hさん

SSシステム・シューノ32は2015年、シューノ19は翌2016年の発売です。

SSシステムは家庭で安全に使えるように開発

収納マン
収納マン

SSシステムはAAシステムでの成功体験に基づいて住宅関連市場でもシェアを取るために作ったのでしょうか?

Hさん
Hさん

昨今のDIYブームを受けて、AAシステムをご家庭で使いたいという要望が増えました。しかし、AAシステムは家庭用として万全ではないため、より安全安心に使っていただける商品としてSSシステムを開発しました。

実はSSシステムのほうが頑丈!

収納マン
収納マン

え?店舗用のAAシステムのほうがタフなイメージがあるのですが?

Hさん
Hさん

アパレルショップの店舗ディスプレイでは相当の間隔を空けて洋服を掛けます。また、棚に商品を飾るときもゆったりと置きますよね。そのため耐荷重は幅900mmピッチで30kgもあれば十分なのです。
他方、一般家庭では洋服を目一杯かけたり、いろんなモノをギッシリと並べます。小さなお子さんが触ることもあるので、より安全安心に使っていただけるよう配慮する必要があるのです。そのためシューノ32の耐荷重は最大100kg、シューノ19は同じく53kgを目安としています。

SSシステムはサビに強い!

Hさん
Hさん

また、店舗什器は1~3年程度でリニューアルすることを前提としているので問題ないのですが、一般家庭では長期間に渡って湿度が高い環境で使用することが想定されます。
そのため、SSシステムは錆びにくい塗装を施しています。

収納マン
収納マン

なるほど。クロムメッキのAAシステムはカッコイイですが、あの質感を一般家庭で維持するのは難しいんですねー。

ロック式の抜け止め機能

ロック式抜け止め機能(スイッチロック)

出典:ロイヤル(以下同)

Hさん
Hさん

ほかにも一般家庭で使うことを前提に安心・安全に配慮しているところがたくさんあります。AAシステムにもブラケット類に抜け止め機能を設けていますが、SSシステムは棚柱にセットするときに自動でロックするだけでなく、スイッチを押さえたままにしなくても外すことができます。

収納マン
収納マン

ん?あー、なるほど!AAシステムの場合はブラケットを外すときにスイッチを押さえたままじゃないと再びロックが掛かってしまうけれど、SSシステムはスイッチをスライドすれば先端が引っ込んだ状態でロックされるんですね!これは芸が細かい!

面押し加工

従来の加工→面押し加工

出典:ロイヤル

Hさん
Hさん

AAシステムは鉄板をプレスで抜いてからバリを削っています。一方でSSシステムは面押し型でバリだけでなく角をなくし、ユーザーがケガをすることがないように細心の注意を払っています。

収納マン
収納マン

(実物を比較しながら)AAシステムもまったく問題ないと感じますが、削っているので切断面はザラザラしていますね。それに比べるとSSシステムのほうは滑らかです。ホント、よくこんなところまでこだわりますね(苦笑)

QRコード付き

QRコード付き

収納マン
収納マン

ブラケットにQRコードがシールで貼られてるんですけど、これって何ですか?

Hさん
Hさん

スマートフォンで読み取ると、SSシステム・シューノの商品詳細ページに飛びます。

収納マン
収納マン

うわ、ホントだ!商品のスペックや関連商品の情報だけでなく、動画までありますね。これなら耐荷重を確認したり、パーツを買い足すときに便利ですね。取扱説明書だと紛失することがありますし、そもそも工務店が渡し忘れることもありますから。

高品質なのに安い!

収納マン
収納マン

店舗用のAAシステムのほうがタフなイメージがあったのですが、お話を聞く限り、家庭で使うならSSシステムを選んだほうがメリットが大きいですよね。耐荷重が大きくて頑丈だし、サビる心配も少ないです。「そこまでするか?」と思うくらい、気配りが行き届いています。それでいて、価格もAAシステムと比べて大きく変わりません。競合他社と比較しても安いと思います。
かなり販促にもコストを掛けているようですが、これだけ品質が高い商品ならもっと高値で販売しても良かったんじゃないですか?

Hさん
Hさん

弊社ではAAシステムでの実績があるので、大量生産でコストを下げることができます。また、SSシステムもAAシステムと同様に、原価に基づいて販売価格を決定しており、家庭用だからと言って特別な価格設定はしておりません。

ロイヤルはメイドバイ日本の工場!

収納マン
収納マン

この値段で大量生産となると、製造は中国ですか?

Hさん
Hさん

いえいえ、弊社製品はすべて日本国内にある協力工場で作られています。メイドインジャパン、メイドバイ日本の工場です。

いやはや、驚きましたー。AAシステムもSSシステムも日本製だったんですね!これは高品質な商品を作るためだけでなく、店舗ニーズに応えて基本即日出荷という体制を作るために必要なことなんだと思います。

しかし、プロユースでタフなイメージのあったAAシステムよりもSSシステムのほうが頑丈でサビに強いというのは驚きました。それだけでなく、ロック式の抜け止め機能、面押し加工、おまけにQRコード貼り付けなど、まあ本当にここまでやるものだなーと感心します。

確かにクロムメッキのAAシステムのほうがカッコイイ感じもするし、パーツが豊富なのも魅力的ですけど、家庭で使うならSSシステム一択ですね。事前に他社類似品もいくつか調べましたが、SSシステムよりも高品質で低価格なものは他にありません。その点でもSSシステムを選べば間違いないと思います。

AAシステムとSSシステムの違いが分かったところで、次回はSSシステムの導入の仕方について引き続きHさんにうかがってまいります。

続編

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コメント

  1. Ak より:

    ここにこう物を置きたい!と目的を定めたらどんな物がその場に適しているのか絞るために収納マン様のブログをよく参考にさせていただいているのですが、収納マン様の記事を読めば読む程『美は細部に宿る』がいかに至言か思い至ります。
    もっと適当に収納用品買って押し込めばさっさと済んでラクなんだけどなーと毎度思うのですが、何気無い使いづらさや違和感を放置すると結局他のストレスも呼び込むんですよね
    いつもいつも収納マン様の細部を見逃さない記事に関心しきりです。

    • Akさま

      ひさしぶりです^^

      > もっと適当に収納用品買って押し込めばさっさと済んでラクなんだけどなーと毎度思うのですが、何気無い使いづらさや違和感を放置すると結局他のストレスも呼び込むんですよね

      本当にその通りだと思います。
      クライアント宅でも、その場所に最適なサイズかつ、収納したいモノにピッタリで、家族全員が出し入れしやすく、モノが増えても容易に対処できて、できるだけオシャレで少しでも安ければ…という願望を感じることが多いです^^;
      少なくとも私はそう考えて最適な収納グッズや収納方法を提案するのですが、とても難しいことに違いありません。

      一方で、急に思い立って片づけようとするのではなく、長期的視野に立って収納レイアウトなどを検討していくと、収納グッズや家具を選ぶプロセスは決して苦痛ではなくむしろ楽しいことだと思います。
      おそらくAkさんはそこにお気付きなのでしょう。
      でなければ、”何気無い使いづらさや違和感を放置すると結局他のストレスも呼び込む”という帰結を想定することはないでしょうから。

      つまるところ、片づけとか収納というのは、「いつまでにパズルを完成させる」というのではなく、「やったりやらなかったりで気がついたらパズルが完成する」という感じで進めるものなのかなと思います。