今さら聞けない?いわゆる「メタルラック」(スチールワイヤーシェルフ)の基礎知識

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いわゆる「メタルラック」は組み替えやオプションパーツを使っての拡張をすることができます。しかしながら、だいたいの購入時期は覚えていても、どこで購入したか、どのメーカーのものを買ったかといったことを覚えていないことも多いものです。私もクライアント宅で同様のことが何度もありました。

メタルラックは複数のメーカーが販売しており、ホームセンターのオリジナル商品の仕様も幾度となく変わっていることが多いものです。一方で、各社で互換性はほぼありません。

というわけで今回は、「ウチにあるのはどこの商品だろう?」、「これから買うならどこで買えば良いんだろう?」とおっしゃる方のために、いわゆる「メタルラック」の基礎知識をまとめてみたいと思います。

この記事は2016年9月19日時点の情報に基づいています(2024年9月7日一部更新)

 

メタルラックはアイリスオーヤマの商標です

この手の商品は一般的に「メタルラック」と呼ばれることが多いんですが、メタルラックはアイリスオーヤマの登録商標です。ですから総称としては「スチールワイヤーシェルフ」などと呼ぶのが適切です。

スチールワイヤーシェルフのブランドで大手と言えるのは以下の3つです。

ほか、メーカーとしては山善のものが割りと一般的と言えます。ニトリカインズなどホームセンターのプライベートブランドのものもあります。コーナンとDCM系列、コメリなどは現在は基本的にドウシシャ製ですね。

コーナンは以前はオリジナルの「サザンポート」のほか、アイリスオーヤマOEMの「メガメタルラック」を扱っていた時期もあります。また、DCM傘下に入る前のケーヨーD2では山善の「メタルシェルフ」を扱うなど、どこで購入したかだけでは今となっては判断できないことも多々あるので注意が必要です。ちなみに、ニトリも過去に何度も仕様変更をしています。
「メタルシェルフ」という名称はアイリスオーヤマも使っていますが、実は山善の登録商標です。

手持ちのラックのブランドの見分け方

ドウシシャ・ルミナスレギュラーのプレート

出典:ルミナスクラブショップ

スチールワイヤーシェルフ大手3ブランドの正規品であれば、上写真のようなロゴプレートが棚板の側面に取り付けられています。また、棚板の角のポールを通す筒状の部分にブランドロゴの刻印が付いています。

ただし、ドウシシャとアイリスオーヤマのシェルフにはそれぞれ「ルミナス」や「メタルラック」を冠していない廉価版が存在します。それぞれの正規品と互換性はあると言えるものの、見た目でブランドを見分けるのは困難です。

その他のメーカーやホームセンター各社のプライベートブランド品も外観で見分けるのは難しいと言えるでしょう。

 

ポール径25mm、19mm、12.7mmが主流

スチールワイヤーシェルフと言えばポール径25mmのものが一般的ですが、19mmや12.7mmのものもあります。また現在、ニトリだけは22mmのものがメインとなっています。

ポール径19mmや12.7mmにも力を入れているのはルミナスラック(ドウシシャ)とメタルラック(アイリスオーヤマ)です。「25mmm、19mm、12.7mmのどれを買ったら良いの?」と聞かれることもありますが、それぞれ棚板のサイズバリエーションが違いますから、基本的には必要なサイズに合わせて選べば良いでしょう。

25mmのほうが大型のラックが多く、19mmのほうが小型のものが多くなる傾向があります。また、25mmのほうが耐荷重性能は大きいと言えますが、ホームユースであれば19mmでも大丈夫なことが多いです。

ポール径25mmと比べると、19mmや12.7mmはグラつきが生じやすく、ゴムハンマーで叩いたときに棚板が変形しやすいです。

 

価格の違いはどこにある?

メーカーそれぞれの価格、プライベートブランド品の価格の違いにはもちろん理由があります。決してメーカー品だから高いということはありません。

まず、エレクターシェルフはポスト(支柱)がステンレス製だから価格が高いと言えます。また、オーダー品など一部製品は国内で製造するなど、品質管理とブランドイメージを重視するために高級品としている側面もあります。

ルミナスラックやメタルラックは防錆加工を施していることが価格が高い要因と言えるでしょう。サイズバリエーションやオプションのラインナップを維持するにもコストが掛かっていると思われます。

対して、価格が安いものは一般的に防錆加工が施されておらず、水に濡れなくても空気中の湿気で表面が錆びてしまうことが多いです。また、棚板のワイヤーの本数が少なくて耐久性に乏しく、箱を開けた時点で棚板が変形していたということもよくあります。おまけに売ったら売りっぱなしでオプションパーツで拡張するという使い方もできません。

また、ルミナスラックやメタルラックはワイヤーの本数や棚板下面の補強の有無で耐荷重が異なります。コストが上がると価格も上がるわけですね。ウンと重いモノを乗せる場合は価格がアップしても耐荷重性能の高いものを選ぶ一方、そんなに重いモノを乗せる必要がない場合は廉価なものを選べば十分でしょう。

ともあれ、もしこれから購入するなら、エレクターシェルフ、ルミナスラック、メタルラックのいずれかのブランドで指名買いすることを強くオススメします。高級なエレクターシェルフは別格として、ルミナスラックとメタルラックに関しては、ホームセンターのプライベートブランド品などと比べても価格差はほとんどありません。安く見えても品質は十分なのです。

DCM系列、コーナン、ナフコ、コメリ、ビバホームで扱っているプライベートブラン品は多くがルミナス互換品です(一部例外あり)。

 

スリーブは同径なら基本的に互換性あり

クライアント宅で多いのが、「引越し後にスリーブを紛失した」というものです。スリーブとはポールと棚板を固定する際に使用する部品のことで、エレクターシェルフでは「テーパー(テーパードスリーブ)」、ルミナスラックでは「スリーブ」、メタルラックでは「棚板固定部品」と呼びます。

私の今までの経験で言うと、ポール径25mmであればスリーブは各社互換性があると言って良いと言えます。ただし、ポールに彫ってある溝の深さが各社で微妙に異なるため、若干滑りやすく感じる場合もあります。できるだけ使用しているラックのブランドを特定し、同じブランドのスリーブを使うに越したことはありません。

 

キャスターなどの脚パーツも互換性あり

アイリスオーヤマ ラック メタルラック キャスター 4個入り ポール径25mm 耐荷重:キャスター1個あたり/静止時:約100kg/走行時:約25kg スチールラック MR-25BC

実はキャスターなどの脚パーツも互換性があるようです。amazonでのレビューを見ると、アイリスオーヤマのメタルラックのキャスター(上写真)がルミナスラックやホームエレクターに使えたという話が書かれています。

ちなみに、ポール径25mmだけでなく、19mmや12.7mmにも使えたというレビューが散見されます。

 

ポール連結ジョイントは互換性なし

一方で、ポール連結ジョイントおよび延長ポール、テンション(つっぱり)パーツなどは互換性がありません。ネジの切り方が異なるためです。ポールを継ぎ足そうと思ったら、ブランドを特定して同じブランドのパーツを取り付けないと無理だと思ったほうが良いでしょう。

ただ、オプションパーツというのはだいたい割高なものですし、もともと使っていたラックのブランドが特定できない場合は安物と言って間違いないので、難しいことを考えるよりは買い替えたほうが手っ取り早いと思います。

ちなみに、棚板のサイズも各社で微妙に異なるので1枚だけ他社製を組み合わせるということは基本的にはできません。ただし、ポール径が同じであれば、A社のポールにB社の棚板5枚といった組み合わせは可能です。

 

近年はメタル以外のラックも

メタルラックと言うとギンギラ銀のクロムメッキというイメージではないでしょうか。また、クロムメッキ以外のカラーの場合はセット品のみでオプションパーツを使って拡張することができないというのが一般的でした。

しかし、近年は上写真の「ルミナス・ノワール」のようにハンマートーン加工を施したブラウン色で、オプションパーツやサイズバリエーションが豊富なシリーズも登場しています。また、「エリソンラック」は3色のニュアンスカラーから選ぶことができるうえ、ワードローブ、キッチンラック、突っ張りラックがラインナップされていて、コーディネートがしやすいと思います。

 

以上、簡単に説明するつもりがついつい長くなってしまいました(苦笑)でも本当に、互換性の有無について難しいことを考えるよりは買い替えたほうが早くて良いです。どこで買ったどこのメーカーのものか分からない時点で、おそらくサビが生じるなど劣化が見られるからです。

ブランドイメージ重視ならホームエレクター、入手のしやすさやラインナップの豊富さならルミナスラックがオススメだと個人的には思います。ポール径25mmのホワイトやブラックのセット品をご希望ならメタルラック、ルミナスラックのいずれかが良いでしょう。カラバリについては多様化しているので悩みどころですね。

 

エレクター・エレクターシェルフ

ドウシシャ・ルミナスラック

アイリスオーヤマ・メタルラック

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