先日の令和8年熊本地震では多くの方が被災されました。心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地の皆様のご安全と、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
10年前もそうでしたが、今回も余震と呼ぶには大きすぎる規模の余震が続いています。被災された方々を案じるとともに、明日は我が身と感じておられることもたくさんいらっしゃることでしょう。
家そのものの耐震化は簡単ではありませんが、家具の転倒防止などは比較的手を付けやすいところです。特に本棚や食器棚など、背が高くて重量のあるものはシッカリと対策しておきたいところです。
家具の耐震化と言えば、家具転倒防止つっぱり棒の設置や壁へのネジ留めが一般的です。ただ、つっぱり式は天井を持ち上げてしまって役に立たないこともありますし、賃貸住宅ではネジ留めするのが憚られることもあるでしょう。
一方で、最近は石膏ボード用ピンで壁に固定する薄型ラックなどもあります。ただ、石膏ボード用ピンは垂直方向にはそれなりに強力ですが、水平方向に引っ張ると簡単に抜けてしまうことがあります。そのため、私としてはちょっと不安を感じていたのです。
そんな折り、まさしく石膏ボード用ピンで壁に固定する薄型ラックを試す機会に恵まれましたので、今回はそのレビューをお届けしたいと思います。
ドウシシャ/天井に突っ張らない薄型壁付けラック

今回ご紹介するのはドウシシャの「天井に突っ張らない薄型壁付けラック」という商品です。突っ張り式ではなく、石膏ボード壁または木質系壁にピンまたはネジで固定する薄型ラックです。
奥行は13cm、高さは190cm。幅は30cmと51cmの2サイズ、カラーはホワイトとブラウンの2色が用意されています。今回は幅51cmのホワイト色(TEH50-WH)を試すことにしました。
ダンボール箱を開けると、部品がいっぱい。組み立てが大好きな私はワクワクしますけど、苦手な方はこの時点で戦意を喪失してしまうかもしれませんね。
完成形が分かるのはありがたい

ただ、取扱説明書を見るとちょっと安心します。一般的に取扱説明書(組立説明書)は1番から順番に組み立て方が書かれていてゴールが分かりにくいのですが、こちらは最初に大まかな組み立て方が書かれているのです。
「なんだ、柱4本と棚板9枚を組み立てれば良いのか。」と思えると、戦意も復活するというものです。
まずは支柱の組み立てから

それでは早速、組み立てて参りましょう。まずは上下に分割された支柱を繋げていくところからです。木ダボを挿し込み、カムロックと両頭連結シャフトでジョイントさせます。
支柱4本が完成

この作業を4回繰り返して支柱が4本完成。あとは壁固定金具をネジ留めし、底面にクッションを貼り付けます。
支柱に棚板を固定

次は連結させた支柱に棚板を固定します。取扱説明書では立てた状態で組み立て方が書かれており、どうやって組み立てれば良いかと少し思案しました。
結果的に、寝かせた状態で、まず左右いずれかの背面側の支柱を棚板に固定。正面側の支柱、反対側の背面側の支柱、同じく正面側の支柱という順番で組み立てました。
なお、ご覧の通り軽く1畳以上のスペースを要するので、あらかじめ場所を確保しておく必要があります。
大枠が完成

支柱に棚板を固定したら、いったん立て掛けます。このままだと横方向にグラグラしますし、ちょっと体が当たるだけで手前に倒れそうな感じ。ちゃんと壁に固定しないと極めて不安定です。
石膏ボード壁用ピンで固定

石膏ボード壁用ピンはコインで刺すことができます。カバーはなく剝き出しですが、基本的には本などに隠れるので問題ないでしょう。
なお、前述の通りちょっとグラグラしているので、水平を確認してから固定しなければなりません。
可動棚板は各段3段階で調節可能

5枚の可動棚板は木ダボに乗せるかたちです。各段3段階(25mmピッチ)で高さを調節することができます。ただし、中央(上下ともに5段目)の段だけは支柱の連結部に当たるため2段階調節となっています。
目隠しシールを貼って完成

最後に支柱の外側と棚板の下面のネジに目隠しシールを貼って完成です。撮影などしながらゆっくり組み立てて1時間ほどですから、集中してやれば30分くらいでも大丈夫だと思います。
遠目で見ると分かりにくいですが、棚板の正面はボリュームを持たせてあるので、水平線が強調されています。見た目だけでなく、棚板がたわまないように補強する役割もあります。なお、耐荷重は棚板1段あたり10kg、ラック全体で90kgとなっています。
単行本に最適化されたサイズ設計

この薄型壁付けラックは各段3段階の中央に可動棚をセットすると、単行本を収めるのにピッタリです。文庫本だと、奥行や高さに余裕があります。
ちなみに、表面材はすべてツルッとした質感のメラミン化粧合板です。キズや汚れはもちろん熱にも強いので、キッチンに置いて調味料などを並べても良いでしょう。トイレに設置して本やトイレットペーパーを収めても良いと思います。
巾木にも対応

こちらの薄型壁付けラックは厚み最大15mmの巾木に対応するよう、後ろ脚がカットされています。また、底面に貼るクッション(フェルト)は手前側が厚くなっており、ラックが自然に壁にもたれ掛かるようになっています。
普段の転倒防止には十分

さて、肝心の地震対策についてですが、私の感覚で20kg程度の力で水平方向に引っ張ってみたところ、石膏ボード壁用ピンが抜けるようなことはありませんでした。日常生活における転倒防止としては十分だと思います。
一方で、震度7クラスで「ドン!」と水平方向に揺れた場合は抜けてしまう可能性があると感じました。壁下地にネジで固定するのに比べると、保持力は弱いと思います。
ともあれ、家具転倒防止つっぱり棒とこちらのどちらを選ぶかと聞かれたら、私はこちらを選びます。コンクリートの梁にでも突っ張らない限り、このような薄型ラックは家具転倒防止つっぱり棒で固定しても20kg程度の力で引っ張ったら倒れてしまうことが多いからです。
今回ご紹介した「天井に突っ張らない薄型壁付けラック」はそもそも、地震対策や転倒防止といったフレーズは一切使っていません。あくまで天井に突っ張らない代わりに壁に固定する構造と説明しているまでです。
とは言え、消費者としてはやっぱりそこを期待してしまいますよねー。ですが、あくまで転倒防止。地震の場合はあまりに激しい揺れには耐えきれないかもしれないと考えておいたほうが良いでしょう。倒れてきても問題ない場所に設置することが望ましいと言えます。
そんなわけで、地震対策としてこの薄型壁付けラックを検討している方には良いご報告ができませんでしたが、見た目、使い勝手、丈夫さといった点ではとても良くできた商品だと思います。価格も幅50cmタイプで1万円ほどですから手頃です。
特に廊下にハミ出すほど本をたくさんお持ちの方にはオススメできると思いますよ。
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