月額数百円程度から利用できる家具のサブクリプションサービスが登場してから、早いもので4~5年が経ちます。
当初は安物の家具を実質的に分割払いで購入するのに近いだけのものが多く、とてもオススメできる感じではありませんでした。しかし、一部はただの分割払いやレンタルとは一線を画すサービスに進化したり、大手メーカーや販売店も家具のサブスクに乗り出すなど、かなり状況が変わってきています。
そこで今回は、改めて家具のサブスクを扱っている6社のサービスを比較してみたいと思います。
※価格およびサービス内容等はすべて2022/08/15現在
クラス
取り扱いブランド | ハーマンミラー |
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取り扱いアイテム数 | 928点(家電等含む) |
サービス対象地域 | 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、 大阪府、京都府、兵庫県(一部除く) |
短期利用 | 可能 |
月額料金以外に発生する費用 | 組立設置を希望する場合は税込2,200円、 配送3日前までのキャンセルは税込3,300円 |
2018年5月にサービスを開始した「CLAS(クラス)」は現在ではかなり内容が変わってきており、サブスクと言うよりはレンタルに近い形態です。日割り計算こそないものの1ヶ月からの利用が可能で、利用期間に応じて料金が割引される仕組みです(37ヵ月目から80%OFFなど)。
ただし、レンタル品を買い取ることはできません。返却された家具は修理を経てまた貸し出されることになります。そのため、中古品が届く可能性があります。
レンタルされる家具の多くは自社オリジナルですが、パナソニック、シャープ、バルミューダなどの家電も扱っています。コスパはさておき、短期利用を前提としたユーザーにとってはもっとも理想的なサービスと言えるのではないでしょうか。
サブスクライフ
取り扱いブランド | アクメ、ジャーナルスタンダード、カリモク・ニュースタンダード、カンディハウス、ハーマンミラーなど |
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取り扱いアイテム数 | 1,711点(家電等含む) |
サービス対象地域 | 日本全国(一部離島を除く) |
短期利用 | 可能(3ヶ月~、ただし利用総額は長期と同じ) |
月額料金以外に発生する費用 | 配送料(商品によって異なる)、 返却の際は回収手数料(税込3,300円) |
サブスクライフは3ヶ月から利用できるものの、利用総額は24ヶ月の場合とほぼ同じ。つまり、3回分割払いか、24回分割払いか、という違いに過ぎないのです。返却の際は1点につき税込3,300円の回収手数料が発生するため、わざわざ返却を希望する人は少ないのではないかと思われます。
個人的には、大手家具販売店で無金利もしくは低金利の分割払いを利用したほうが良いのではないかと思いますが、与信に不安がある方にとっては魅力的なのかもしれません。なお、サブスクライフでもバルミューダやカドーの家電を扱っています。
エアールーム
取り扱いブランド | 大塚家具 |
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取り扱いアイテム数 | 1万点以上(家電等含む) |
サービス対象地域 | 東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、群馬県、茨城県、 静岡県、愛知県、岐阜県、三重県、滋賀県、 大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、福岡県(一部除く) |
短期利用 | 可能(3ヶ月~) |
月額料金以外に発生する費用 | 注文時、返却時ともに商品毎の配送料、 組立設置を希望する場合は別途料金 |
エアールームの特徴を簡単にまとめると、カジュアルな家具を短期間(3ヶ月)から利用できるサービスという感じになるでしょうか。また、ルンバなど家電のレンタルも可能です。
クラスのサービスに似ていて中古品が届くこともあるものの、買い取ることも可能。ただ、大塚家具の商品などを見ると7ヶ月程度の利用料で商品価格に達するものが多く、コスパはとても悪いと思います。3ヶ月利用するユーザーを2人捕まえたら、運営側は元が取れる計算ですからね。
ともあれ、ご利用ガイドでサービス内容を確認してもリンク切れが多すぎるのは困ります。
フレクト
取り扱いブランド | 飛騨産業、ハーマンミラー、エルゴヒューマン、カルテルなど |
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取り扱いアイテム数 | 1,144点 |
サービス対象地域 | 山形県、宮城県~兵庫県(和歌山県、島しょ部除く) |
短期利用 | 不可(中途解約は可能) |
月額料金以外に発生する費用 | 注文時、返却時ともに商品毎の配送料、 組立設置を希望する場合は別途料金 |
ディノスが運営するフレクトは基本的には2年間=24ヶ月の分割払いのような仕組みながら、中途解約も可能です。ただし、その場合は解約を申し込んだ月の翌月から2ヶ月分の月額利用料が発生するので、最低でも3ヶ月分の料金と往復の配送料が発生します。
フレクトのサービスが開始された当初は単なる分割払いという印象が強かったものの、中途解約が可能となったことで、よりユーザーにとって魅力的なものとなったと言えると思います。もちろん、気に入れば買い取りも可能です。
大川家具
取り扱いブランド | カリモク家具、マスターウォール、飛騨産業、浜本工芸、エコーネス、フランスベッドなど |
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取り扱いアイテム数 | 284点 |
サービス対象地域 | 日本全国(北海道、沖縄、離島を除く) |
短期利用 | 可能 |
月額料金以外に発生する費用 | 1点につき税込5,000円の配送料、 返却時の送料は商品によって異なる |
老舗の家具販売店も負けていません。埼玉県と栃木店に6店舗を展開する大川家具なら、国内外の有名メーカーの家具をなんと1ヶ月からレンタルすることができます。しかも、張地色などのオーダーが可能で新品が届きます。
こんなことができるのも大川家具では自社で家具の修理ができる職人を抱えているからということがひとつ。もうひとつは良い家具を使ってもらえばきっと手放したくなるはずという期待値を込めているからだと思います。普通に損得勘定だけで考えたら採算が合わないし、逆に言うとユーザーにとってはめちゃぐちゃありがたいサービスだと思います。
ちなみに、原則36回の支払い終了後に返却することも可能で、その場合は返送費用の負担なし。もちろん、気に入れば買い取りも可能です。
無印良品
取り扱いブランド | 無印良品、トリップトラップ |
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取り扱いアイテム数 | 37点 |
サービス対象地域 | 日本全国(一部除く) |
短期利用 | △(3ヶ月~4年) |
月額料金以外に発生する費用 | 配送料別途、有料付帯作業料別途 |
基本的に私は無印良品に対して厳しい目で見ることが多いのですが、無印良品のサブスクはすごく良心的かつ非常に上手に設計されていると思います。
契約期間は一部商品を除き、1年、2年、3年、4年の4タイプ。基本的に契約期間に応じた月額料金となっているのですが、契約期間が満了してから買い取る場合は支払総額が商品価格を少し上回る程度の手数料で買い取るか、負担なしで引き取ってもらうかを選べるようになっています。およそ一般の人がサブスクと聞いたときにイメージしやすい理想的な仕組みになっていると感じます。
こちらもユーザーが商品を気に入って買い取ってくれることを前提に設計されているんじゃないでしょうか。新品が届きますし、そうでないと成り立たないと思います。
以上の通り、家具のサブスクと一言で言っても各社各様です。個人的にはカジュアルな家具なら無印良品かクラスを利用するだろうなーと思います。特に一人暮らしでこれから何度も引越しの機会がありそうなら、クラスはアリですね。無印良品が好きなら無印良品一択で良いでしょう。
高級な家具を試してみたい場合や、同じく初期費用を抑えたい場合は大川家具。もっとも、大川家具ほか一般的な家具販売店で普通に家具を買う場合は少なからず値引きが期待できますし、配送設置料も安いことが多く、分割払いでも金利が無料のショップもあります。何をリスクと考えるかで、サブスクにしたほうが良いか、普通に買ったほうが良いか、しっかり検討したほうが良いと思います。
あとは安い家具をレンタルするくらいなら、IKEAなどで使い捨ての家具を買って、それを使っている間にシッカリと貯金して良い家具を買ってもらうのが良いんじゃないかなと思います。くれぐれもレンタル家具1点あたりの単価の安さにつられて、サブスク地獄(=ローン地獄)に陥らないように気を付けてください。
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