無印良品のパイン材ユニットシェルフとスチールユニットシェルフ。パッと見た感じの構造は似ているので、基本的にはデザインというか素材の好みで選ぶことが多いと思います。
でも、ほかに合わせるべき家具がなかったり、どっちも好きだから選ぶのが難しいという人も多いはず。そんなわけで今回は、無印良品のパイン材ユニットシェルフとスチールユニットシェルフの違いを徹底比較してみることにしました。
無印良品・ユニットシェルフ
パイン材ユニットシェルフ
スチールユニットシェルフ
価格
まずは一番分かりやすいコストパフォーマンスという視点で比較してみましょう。以下、基本的にはサイズの似ている、パイン材ユニットシェルフは860×395×1755mmのものと、スチールユニットシェルフは木製棚の860×410×1755mmのものを主体に見ていきます(※2016/10/19追記:木製棚セットは廃番)。
パイン材ユニットシェルフは税込12,600円、スチールユニットシェルフの木製棚は同じく19,950円です。どちらも2万円までで値頃感はありますが、スチールユニットシェルフの木製棚のほうが約58%も値段が高いです。ちなみにスチールユニットシェルフのスチール棚の同サイズのものは15,750円で、これはパイン材ユニットシェルフよりも25%高い値段です。
棚板だけを見た場合、パイン材の棚板とスチール棚板が同じで税込1,890円、スチール用木製棚が税込2,730円となっています。材質的にはパイン材の棚板はパイン材無垢のUV塗装、スチール棚板はスチールのエポキシ樹脂塗装、スチール用木製棚は材質は不明ですが突板のウレタン樹脂塗装となっています。パイン材の場合、無垢板とは言え低級な材質ですから材料コストは安いです。いずれも妥当な価格設定だと思いますが、サイズと価格の関係だけで言えばパイン材ユニットシェルフのほうがコストパフォーマンスは高いと言えます。
機能性・拡張性
実は意外と違いが多いのが、機能性や拡張性です。パイン材ユニットシェルフにはないオプションパーツがスチールユニットシェルフには多く用意されています。キャスター、天井つっぱりパーツ、帆立補強パーツ(コの字パーツ)、棚板高さ調整パーツ、ポリプロピレンバスケット、ワイヤーバスケット、帆布バスケット、引出しや扉などのボックス、バックパネル、サイドパネル。これらはすべてパイン材ユニットシェルフにはないオプションパーツです。唯一、パイン材ユニットシェルフのみに用意されているオプションパーツはワードローブ用カバーとキャスター付きボックスくらいです。
あと、小さなことですが大きな違いとして、スチールユニットシェルフにはアジャスター足が付いています。アジャスター足が付いていると床に微妙な傾斜や段差があっても対応しやすいと言えます。パイン材ユニットシェルフは床に傾斜や段差がある場合、薄い合板を敷くなどして対応する必要があります。
サイズバリエーション
サイズ展開にも違いがあります。パイン材ユニットシェルフは基本的に幅2サイズ(86cm/58cm)、奥行3サイズ(50cm/39.5cm/25cm)、高さ3サイズ(175.5cm/120cm/83cm)。スチールユニットシェルフは幅4サイズ(112cm/84cm/56cm/42cm)、奥行2サイズ(41cm/25cm)、高さ5サイズ(212.5cm/175.5cm/120cm/83cm/46cm)です。
サイズについては置くモノの大きさや量に合わせるのが良いと言えるでしょう。テレビなど大きなモノを置く場合や天井に突っ張って固定したい場合はスチールユニットシェルフのほうが良いですね(ただし112cm幅はスチール棚板のみ)。
耐久性
耐荷重については、材質やサイズに関わらず、棚板1枚あたり30kg、棚全体で100kgとなっています。理屈上、幅が狭いほど耐荷重性能が高いはずなので、全部一律となっているというのはかなり不自然ですが、まあテキトーなんだと思います。それでもイケアの設定耐荷重に比べればマトモです。個人的には、無印良品の場合はこれらの数字をオーバーしなければ問題ないんじゃないかと思います。
あと、塗装についてですが、パイン材ユニットシェルフについてはUV塗装という表面硬度が高い塗装が施されています。これは擦り傷には強い一方で、パイン材自体は軟らかい木材なので打ちキズには弱いと言えます。また、この価格なので、反ったり割れたりする可能性は十分あります。一方のスチールユニットシェルフの木製棚板は突板にウレタン樹脂塗装を施したものなので、表面硬度はUV塗装に劣るものの、通常の使用下においては反ったり割れたりする心配はほとんどないと言えます。
つまるところ、家電などの重いモノを乗せる場合はスチールユニットシェルフの木製棚かスチール棚が適していると言えるでしょう。また、風合い重視で比較的軽いモノを頻繁に出し入れするような用途ではパイン材ユニットシェルフのほうが適している場合があると言えます。
カラーコーディネート
パイン材ユニットシェルフは主材がパイン材であるため、経年変化で飴色というか茶褐色に変化していきます。対してスチールユニットシェルフの場合は基本的に変化はないと言って差し支えないでしょう。ですから茶系の木質系でコーディネートする場合はパイン材ユニットシェルフ、無機質な感じ、スタイリッシュな感じでコーディネートしたい場合は、スチールユニットシェルフのほうがオススメです。よりスタイリッシュにしたい場合は、高級モデルのステンレスユニットシェルフを使ったほうがラグジュアリー感が出て良いと思います。
以上の通り、同じ無印良品のユニットシェルフとは言え、パイン材とスチールではたくさんの違いがあります。分かりやすく言うと、どうしても木の雰囲気が捨てがたい人はパイン材ユニットシェルフですが、別にそんなこだわりはないという方の場合はスチールユニットシェルフのほうがオススメです。また、予算に余裕があるならラグジュアリー感があってサビやキズの心配も少ないステンレスユニットシェルフのほうがオススメです。私はお客様にオススメする場合、たいていステンレスユニットシェルフのほうをオススメしています。スチールに比べれば割高ですが、ちゃんとした家具に比べれば安いほうですからね。
スチールユニットシェルフとステンレスユニットシェルフの違いについては以前にまとめておりますので、是非そちらも参考になさってください。
コメント
はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。
現在、キッチン用品(米びつやミキサーなど)を置くためのシェルフを検討していて、無印のパイン材ユニットシェルフとステンレスユニットシェルフ(オーク板)の2択で迷っています。
下にゴミ箱を置きたいので下側に棚板をわたさない予定です。
この場合、どちらのシェルフがおすすめでしょうか?
パイン材の方が雰囲気は好みなのですが、キッチン周りであること、オプションパーツの豊富さでステンレスシェルフも迷っています・・
ご指導よろしくお願いします。
みいみいさま
はじめまして^^
この場合はズバリ、ステンレスユニットシェルフ一択で良いでしょう。
ステンレスユニットシェルフには帆立補強パーツ(コの字バー)がありますが、パイン材にはないからです。
もともと無印良品のユニットシェルフは、パイン材でもステンレスでも横揺れが発生しやすいです。
床に近いところで棚板を渡さない場合、帆立補強パーツで補強してやらないとグラグラになってしまいます。
パイン材ユニットシェルフはあくまでエントリーモデル、実際の使い勝手を考えるとスチールもしくはステンレスが妥当ですね。
キッチンでのハードな仕様環境では、ステンレスをオススメします^^
はじめまして。
キッチンのパントリーをステンレスユニットシェルフにしようかと思っています。83cmの高さのを考えていて、真ん中の棚の上にオーブントースターを置きたいと思っているのですが14㌔あります。耐久性は大丈夫なのか心配なのですが・・・・・
どうでしょうか?
何かアドバイスがあればお願いします。
ちなみに幅28cmのものを3つ並べたいです。
りんとさくさま
はじめまして^^
ステンレスユニットシェルフの棚1段あたりの耐荷重は30kgですので、14kgのオーブントースターを乗せても大丈夫です。
ただし、オーブンはかなり熱を発するので、木製棚板の場合は変色する可能性があります。
特に真上の棚板(今回の場合は天板)はステンレスにするのが無難でしょう。
また、いわゆるトースターではなくオーブン機能が付いた電子レンジの場合は、扉を開閉するたびにガタガタと揺れます。
電子レンジの使用中に振動が増幅するような感覚になる場合もあります。
それが許せなくて、ステンレスユニットシェルフはキッチン家電収納として使えないと言う人もいるほどです。
ちなみに私も同様に思うところはありますが、見た目を取るか、揺れないことを第一に考えるか、という感じです。
幅28cmのものを3つ並べるというのは、幅86cmのステンレスユニットシェルフの場合でしょうか。
幅86cmタイプの棚板の有効寸法は80cmなので、計算上4cmハミ出すことになります。
棚板自体は幅82cmなので、天板の上なら左右に1cmずつハミ出すかたちでOKですが、下段の場合は計算上は収まらないでしょうね。
仮に収まったとしても出し入れがしにくいことは必至です。
もちろん、幅112cmの棚板や、2段以上に分けて置く場合は問題ありません^^