数年前に100円ショップで貼って剥がせるシートフックを見つけたときは感動したものです。ところが最近は、柄がないシンプルなものや、フック以外にも歯ブラシホルダーなど様々な派生商品も登場。ついには1~2つで100円が当たり前だったのが、ダイソーでは最大6個入りまで登場しました(下写真)。
ここまで急ピッチで進化すると、ホームセンターではなく100均で買おうと思う人が増えるのも自然な流れでしょう。
ところで、この手の貼って剥がせるシートフックには「吸着式」と「粘着式」の2種類があることをご存知でしょうか。今回はそれらの違いについて説明したいと思います。
吸着式シートフック
まずは吸着式シートフックから。吸着式のシートは接着剤がついておらず、手で触ってもベタベタしません。原理としては吸盤と同じで、壁面とシートの間を真空にすることで貼り付く仕組みです。
なお、上写真はセリアで販売されている、だいゆうの「何度でも貼ってはがせるフィルムフック固定タイプ(小)」です。こちらは以前にも紹介しましたね。
ツルツルの平滑面にのみ貼り付けられる
そういう仕組みですので、完全にツルツルで平滑な面(いわゆる鏡面)にしか貼れません。吸着式シートより大きなタイル、ツルツルのスチール板、ガラス、鏡、鏡面塗装の木製家具などですね。逆に言うと、手で触って少し凸凹が感じられるキッチンやユニットバスの壁面はくっつかないということです。
吸着式シールフックの仲間
これまでにこちらで紹介した吸着式シールフックには以下のものがあります。ぜんぶセリアで買った、だいゆうのシールフックですが(苦笑)
粘着式シートフック
一方で粘着式シートフックはと言うと、シートに接着剤が付いており、手で触るとベタベタします。一般的な粘着式フックの場合は一度貼ると剥がせませんが、こちらは貼って剥がせる接着剤が使われているという違いです。
そう説明すると、マスキングテープのような弱粘着だと思われるかもしれません。しかし決して粘着力は弱くありません。面を広くすることで全体として接着力を高めているものと思われます。
ちなみに、上写真は以前にも紹介した小久保工業所の「くりぴた粘着フックKM-169」。ダイソーでも販売されています。
わずかな凸凹なら貼り付けOK
粘着式シールフックも取扱説明には基本的にツルツルした面でなければ貼り付けできないと書かれています。しかしながら、実際には手で触って少し凸凹が感じられる程度のキッチンやユニットバスの壁面なら貼り付けることができます。
もっとも、貼り付いたとしても平滑面に貼るよりは外れやすかったり、耐荷重が少なくなってしまう可能性はあります。
粘着式シールフックの仲間
吸着式シートフックは少数派で、貼って剥がせるシートフックの多くは粘着式です。そのため、選択肢も豊富にあります。
吸着式と粘着式のメリットとデメリット
吸着式 | 粘着式 | |
---|---|---|
メリット | 接着剤の劣化の心配がない | わずかな凸凹面ならOK |
デメリット | わずかな凸凹面もNG | 接着剤が劣化する可能性あり |
では、吸着式と粘着式のどちらのほうが優れているのでしょう。私の主観で申しますと、一長一短ではないかと思います。
吸着式は接着剤を使用しないので、貼り付ける面を傷める心配がありません。一方で、ほんの少し凸凹があるだけで貼り付けることができないというデメリットがあります。
粘着式はまったく逆で、わずかな凸凹なら貼り付けることができます。吸着式よりも汎用性は高いと言えるでしょう。一方、接着面は触ると崩れてくることもあり、洗えば何度でも使えると言っても限界があるように思います。
というわけで、鏡面など完全にツルツルな面に貼り付けるなら吸着式、一抹の不安がある場合は粘着式を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、冒頭でご紹介したダイソーの「貼ってはがせるシートフック」も粘着式です。ただ、メーカーによって表現が異なるようで、粘着式なのに吸着式と表示している場合もあります。私自身も少し前まで混同していたところがあって、見つけ次第、修正しているような状況です(苦笑)
ともあれ、吸着式も粘着式もラインアップはどんどん増えています。気軽に貼って剥がせるというのはとても便利なので、是非ご活用ください。
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