アイリスオーヤマ「スペースフィットラック」を大洋「エースラック」と比較してみた

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今年(2015年)の春頃にアイリスオーヤマから発売された「スペースフィットラック」は、一見、普通の本棚というかオープンラックです。しかし、幅11サイズ×高さ5サイズ×カラー2色=合計110パターンから選べるバリエーション豊富な収納家具となっています。

2023/08/07追記:現在は幅6サイズ×高さ4サイズ×カラー2色の合計48パターンとなっています。

アイリスオーヤマのスペースフィットラックはサイズが豊富なだけではありません。固定棚がなく、カムロック機構を採用し、すべて可動棚となっているのです。

カムロック機構を採用したすべて可動棚のオープンラックと言えば、白井産業の「スロフィー」(現在は後継モデルの「タナリオ」)。そして同様にフルオープン構造を持ったオープンラックの最高峰と言えば、大洋の「エースラック」です。アイリスオーヤマのスペースフィットラックは、明らかにこれらを意識した商品だと思われます。

そんなわけで今回は、ニューフェイスであるアイリスオーヤマ「スペースフィットラック」と大先輩の大洋「エースラック」を徹底比較してみたいと思います。

※この記事は2015年8月3日時点の情報に基づいています(2023年8月7日一部更新)

 

原産地・価格・健康対策

まず決定的な違いから説明しましょう。スペースフィットラックは中国製、エースラックは安心の日本製です。いくら近年の中国製品の品質が良くなったとは言え、これは決定的な違いです。

これでスペースフィットラックのほうが安ければ良いのですが、幅60×高さ180cmで比較した場合、スペースフィットラックはアイリスプラザ価格で税込15,870円、エースラックはメーカー直販で同21,500円です。エースラックのほうが約35%高いですが、逆に中国製と日本製でこれだけしか違わないとも言えます。

ちなみに、エースラックはホルムアルデヒド発散量がもっとも少ないF☆☆☆☆ランク。スペースフィットラックはホルムアルデヒド発散量については一切記載がありませんが、良くてもF☆☆☆ランクと思われます。健康対策の面で見ても、大洋のエースラックの圧倒的勝利と言えます。

さすがは雑誌『MONOQLO(モノクロ)』でベストバイに選出されたエースラックですね。ちなみに最初にコメントを寄せたのは私自身ですが、一銭たりとも金銭の授受はございません。東日本大震災の前日に工場にお邪魔したときも、手土産持って伺って、手ぶらで帰ってきましたよ(笑)

 

バリエーション

前述の通り、アイリスオーヤマのスペースフィットラックは幅6サイズ×高さ4サイズ×カラー2色=合計48パターンが用意されています。一方で、大洋のエースラックの既製品は幅7サイズ×高さ6サイズ×カラー5色で(一部サイズ除く)合計30パターンが用意されています。

スペースフィットラックは1.5倍ほどのバリエーションが用意されているわけですが、一方でエースラックは幅1cm単位、奥行4サイズ、高さ10サイズ+突っ張りタイプ、カラー12色からイージーオーダーすることが可能で、各種オプション加工もでき、耐荷重30kgのタフ棚を指定することもできます(ちなみに標準仕様のエースラックもスペースフィットラックも棚板1枚当たり耐荷重は10kgです)。

よって、納期を急ぐ場合など手軽なのはスペースフィットラック、よりこだわることができるのはエースラックと言えるでしょう。

 

その他

アイリスオーヤマのスペースフィットラックが特徴的なのは、オプションの引出しが用意されていることです。こういうのはエースラックにはありません。ちなみに、エースラックには扉のオプションはありますが、スペースフィットラックにはありません。

あと、アイリスオーヤマのスペースフィットラックの類似品として、アイリスオーヤマには以前からフリーラックが存在します(2023年8月現在販売終了)。1860サイズに関してはサイズはまったく同じで、価格はスペースフィットラックよりも安いです。ただし棚板の構造は、固定棚1枚と可動棚4枚で、いわゆる普通の本棚と同じ構造です。

 


総じて、やっぱり国産品の大洋・エースラックのほうが安心感があるだけでなく圧倒的にコストパフォーマンスが高いと思います。個人的には、スペースフィットラックをチョイスすることがあるとすれば、ホームセンターにスペースフィットラックしか在庫がないときに限られるかなぁと思います。

しかし現状、多くのホームセンターでシェアが高いのはエースラックであり、次にスロフィータナリオです。スペースフィットラックが入り込む余地はたぶんないと思います。スペースフィットラックのほうが利益率が高いのであればホームセンターの店頭に入り込む余地がるかもしれませんが、利益率重視のお店の場合は既に自社プライベートブランド商品がありますし、なかなか難しいのではないかと思います。

まあ欲を言えば、エースラックにも引出しのオプションが欲しいですね(笑)

 

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コメント

  1. ミケリテ より:

    収納マンさま
    こんにちは♪
    とうとうこちらでも御指南を仰がせていただくことに…何とぞよろしくお願いいたします。
    この週末にミドルベッドが届き、二時間近くかけて主人と組み立て設置いたしました。ビオレという名の中国製品でしたが、届いてみれば値段の割に雰囲気は良くて、ネット購入でしたのでほっとしています。が、娘にはまだ一人寝は難しかったようで夜中の号泣、親たちは寝不足の今日でございます(笑)
    机はクリスマスに届く予定です(*´-`)

    そこで机とタンス(=フィットプラス…またまた受け売りし過ぎf(^_^;))の間に置く、高さ180程度の本棚について質問です。
    かつてはエースラックにするつもりでした。もしくはIKEAのGERSBY。が、机を110幅にしたため、本棚は50幅にしなくてはならなくなりました。
    で正にスペースフィットラックかエースラックのオーダーかで悩んでおります。
    60幅なら規格品どおしで価格差もあまり無さそうですが、50幅になると片や規格品の強みで価格アドバンテージが生まれるのです。エースラックをタフ板仕様にすればなおのこと。タフ板仕様で価格差は約2倍くらいです。

    そこでお伺いしたいのは、
    ◎50幅くらいになれば、タフ板仕様にする必要は少ないでしょうか?
    ◎スペースフィットラックにはエースラックのような転倒防止補助バンドは付いていますか?

    価格のこともさることながら、先に届いているフィットプラスの白い部分が案外アイボリーがかっていたので、隣に置く本棚にはアイリスオーヤマのオフホワイト色の方が合いそうかなと思いつつも、エースラックのタフ板や転倒防止補助バンドの万全ぶりに後ろ髪ひかれております。

    • 収納マン より:

      ミケリテさま

      こんにちは^^

      ミドルベッドの組み立て、お疲れ様でした♪
      さぞお嬢さんも喜ばれたかと思いきや、号泣でしたか―^^;

      でも「ビオレ」、調べてみましたけどなかなか良い感じですね。
      ウチの二段ベッドとスノコの使用やタモ無垢の色合いがとても似ていると感じました。
      メーカーは違うようですが、工場は同じなのかもしれません。

      それはさておき、本棚の件。悩ましいところですねー^^;

      50cm幅で、既製品のスペースフィットラックか、オーダーのエースラック(カラーラック)かとなると、確かに価格が定価で1.6倍くらい違います。
      この2つの選択肢であれば、私はコスト重視でスペースフィットラックを選んでしまいそうです^^;
      言っても所詮は組立家具ですから、使い捨て感覚のところがあり、あまりこだわっても仕方ないからです。

      ただ、国産で低ホルムアルデヒド、背板も分割されておらず、棚板の位置調整も簡単なエースラックも捨てがたいのは事実です。
      エースラックは天板が上から乗せる構造ですので、こちらのほうが耐久性の面でも見た目の面でも良いですしね。
      ですので、私であればエースラックの幅45cmの既製品(NC1845 WH)を検討します。

      正確には44.2cmですけれども、これとスペースフィットラックの50cm幅の比較であれば、楽天市場で最安値の比較で2割ほどしか変わりません。

      基本的に私はあまりすき間なく家具を並べないほうが良いと考えています。
      幅木や建具の出っ張りがあって収まらないことがあったり、今回のような場合ですと、机の横に手提げカバンを掛けようとしたら本棚に当たったり。
      模様替えをするときもレイアウトの可能性を狭めてしまうことがあります。

      また、棚板の耐荷重はいずれも基本は10kgということで、これは厚み3cm程度で重さ1kgの図鑑を10冊並べたら目一杯(幅計30cm)ということになります。
      棚板1枚あたりの耐荷重を目安に収納すると、幅が50cmあっても意味がないということになるんですね。

      もちろん、収納すべき図鑑なんてそんなにはたくさんないと思いますので、それについてはあまり気にされる必要はないかと思いますが、本棚はやはり幅が狭ければ狭いほど頑丈と言えるのは間違いないです。

      そういったところを総合的に考えると、私だったら幅45cmの既製品のエースラックかな、と思います。

      ちなみに、50cm幅でエースラックをオーダーする場合にタフ棚仕様にするかどうかは収納する本次第です。
      文庫本のような小さな本が多ければ必要ないと言える半面、文庫本や単行本を前後2列に並べるとなるとタフ棚の必要があるかもしれません。

      また、スペースフィットラックは転倒防止用の金具が付属しているようです。

      以上、ご参考になれば幸いです^^

      • ミケリテ より:

        収納マンさま
        いつもながら早速のお返事ありがとうございますm(__)m
        ベッド、収納マンさまのお宅のと同じ工場っぽいのですか?お~~大変光栄です♪

        そして、エースラック45cm既製品とは気がつきませんでした!
        確かにギリギリを攻めようと考えてました、私。ともすれば51cm幅とか刻みまくってオーダーしようかと(笑)。窓の多い部屋なので、とにかく使える壁面部分は最大限活用したかったのでした。その際にはデスクサイドの鞄フックは外すつもりで。家具屋で実際計ったら机から5cmも出っ張るのですよね、デスクサイドの鞄フックって使用頻度高いかなぁ…と思っていたこともあり。

        でも45cm弱なら確かに鞄フックも何とか使えそうですね。エースラックの方が棚板移動が楽で耐久性もあるというのはさすがのご指摘、それならやっぱりエースラックかなぁ(*´-`)
        なお、オーダーオプションの「幅木よけ」や「1.5cmピッチ」はそんなに重視することもないですか?

        • 収納マン より:

          ミケリテさま

          個人的には、デスクサイドのフックはもっとたくさん欲しいと思うくらい便利です。
          特に週末になると、給食袋や体操服、上靴などもありますから。

          より正確に言うと、私はあまりたくさん掛けたくはないんですけど、かと言って他に置く場所もないもので。
          やっぱり、使えれば便利かなーと思います^^;

          エースラックのオーダーオプションの「幅木よけ」や「1.5cmピッチ」加工は確かにあったほうが便利なことは間違いないでしょうね。
          ただ、既製品サイズにわざわざそのオプションを付けるのはもったいないですし、オーダーにすると結局またスペースフィットラックに比べると割高感も出てしまいますし…。
          どこまでこだわるかは悩みどころですねー(-_-;)

          • ミケリテ より:

            うわっ聞いておいて良かったです
            それほどフックが便利だったとは( ̄□ ̄;)!!
            この期に及んで、ちょっとイトーキさんに未練が出てきました(笑)

            >既製品サイズにわざわざそのオプションを付けるのはもったいないです

            ですね、欲を言えばキリが無いですね。

  2. 収納マン より:

    ミケリテさま

    そうなんですよね。コイズミファニテックのランドセルハンガーも素晴らしいのですが、諸々の巾着袋のことを考えるとイトーキの使い分けフックも捨てがたいんですよね^^;

    で、やっぱり色々デスクサイドに掛けることを考えると、すき間なく家具を並べるよりもゆとりがあったほうが良いでしょう。
    あまり窮屈だと掛けにくくなってしまいますからね。